農薬を使わずにリンゴをたわわに実らせる…絶対不可能に挑んだ男の記録「奇跡のリンゴ」

B!

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

今日の夢中は、無農薬リンゴの栽培に取り組んだ農家・木村秋則さんの記録、「奇跡のリンゴ」です。

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2017年10月、アマゾンジャパンが、「Amazonプライム」会員向けの電子書籍読み放題サービス「Prime Reading」を開始しました。

これは、アマゾンが提供するKindle電子書籍の中から、900冊もの書籍・マンガ・雑誌が読み放題になるサービスです。
なお、ラインナップは随時入れ替えられるとのことです。

今回は、900冊のラインナップの中から、ベストセラーとなったノンフィクション「奇跡のリンゴ」を選びました。

■あらすじ

「農薬も肥料も使わず、たわわにりんごを実らせる」そんな農家がいる…。

副題に『「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録』とあるとおり、絶対に不可能と言われてきたリンゴの無農薬栽培に挑んだ男の実話に基づくノンフィクションです。

22歳でリンゴ農家の木村家の養子になった秋則は、農薬が妻の身体を蝕んできることに気づき、無農薬のリンゴ栽培に挑戦します。
しかしながら、それは想像を絶する苦難の道でした…。10年もの懸命の努力も実らず、収入は底をつき、一家は周囲から孤立していきます。

いよいよ窮地に追い込まれた秋則がとった選択肢とは。そしてそこに訪れた奇跡とは…。


奇跡のリンゴ(幻冬舎文庫)

■苦難の道

感動しました。

絶対不可能を覆した男の不屈の魂は驚嘆に値します。
農薬のかわりになるものを探し求めて、ニンニクや唐辛子、日本酒、酢などを片っ端から散布して効果を試し続けます。しかし…。

木村の畑だけが、冬の畑のように寒々としていた。(中略)
木村の畑は、リンゴ農家の最悪の悪夢そのものだった。

やがて貯えは底を尽き、一家七人は貧乏のどん底に陥ります。
健康保険料をとり上げられ、子供たちのPTA会費も払えなくなったそうです。米は粥にして食い延ばしました。

その粥でさえ、木村も美千子(妻)もほとんど口にしていなかった。育ち盛りの子供たちに食べさせるためだ。
腹を膨らませるために、味噌汁だけは何杯も飲んだ。その味噌汁の具になるのは市場に出せない傷物くらいだ。それでも足りなければ、畑の雑草を具にした。

■奇跡

その苦労のほどは想像を絶します…。
家族まで追い詰めていることに絶望した木村は、自らの命を絶つことを思い立ちます。

しかしそのとき、最後の最後で木村の目の前に訪れる奇跡…。
詳しくは言いませんが、苦労を重ねてきた人間に神様が微笑んでくれたような瞬間に、胸が熱くなりました。

本を読むと分かるのですが、木村さんの人懐こい人柄が伝わってきます。
農薬に苦しむ妻を助けたいという動機も、彼の純粋な思いからと思います。

一方で、この困難に立ち向かえたのは、彼の理系脳があったからとも思いました。
書物を読みあさり、実験を積み重ね、常に原因と結果を考え続けてきたからこそ、不可能を可能とする真実に行き着くことができたのだと思います。

本当に感動しました。家族も相当に苦労したことでしょう。今だからこそ明るく話せる木村さんの一言一言に、じんとくる名作です。

■映画化

なお、この作品は映画化もされています。

主人公の木村秋則さんを演じるのは阿部サダヲさん。
妻の美千子さんを演じるのは菅野美穂さん。

なんかぴったりだなぁ。もうすでに涙腺がうるうるしちゃいます。
…残念ながら、また未視聴ですが、この本を読んで俄然関心がわいているところです。

Amazonプライムビデオにあるかしら…。おっと、こういう攻め方か!おそるべし、Amazon…。

ありがとう、「奇跡のリンゴ」!がんばれ、木村さん!

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