舞台は超一流ホテル、容疑者は全宿泊者…"マスカレード・ホテル"

B!

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

今日の夢中は、東野圭吾さんの小説「マスカレード・ホテル」です。

■マスカレード・ホテル

大好きな作家のひとり、東野圭吾さん。
映像化されている作品も多いので、東野さんも作品も多くの方に知られていますよね。

そんな東野さんの小説から、新たな映像化作品が誕生することになりました。
それが、今回紹介する「マスカレード・ホテル」です。


マスカレード・ホテル

もともとは2011年に刊行された、東野さんの作家25周年を記念する、長編ミステリ小説。
その後、シリーズ化され、2014年に「マスカレート・イブ」、2017年に「マスカレード・ナイト」が刊行されています。


マスカレード・イブ

そんな人気作品ですから、2011年の「マスカレード・ホテル」が刊行されてから、次々と映像化の話しが舞い込んできたそうです。
しかし、東野さんは首を縦に振りませんでした。それは、作品のイメージを固定されたくなかったから。


マスカレード・ナイト

それから6年後。今回の映画化の企画が持ち込まれたときに、東野さんは激しく迷ったそうです。
なぜなら、主役の新田浩介を描くときに漠然と思う浮かべていた、木村拓哉さんがキャスティングされていたから。
悩んだ末に何かの縁を感じた東野さんは、映画化を許諾したそうです。

■あらすじ

封切り間近の「マスカレード・ホテル」。小説版のあらすじはこんな感じです。

東京都内で起きた3件の殺人事件。
事件現場に残された謎の暗号から、3つの事件は連続殺人事件として捜査されます。

警察は数列の暗号を解読して、第4の殺人事件が起こることを予測。
その犯行場所になると目されたのは、都内の超一流ホテル「ホテル・コルテシア東京」でした…。

犯行を未然に防ぐために、超一流ホテルへの潜入捜査が始まります。
そのうちの一人、フロントスタッフに扮することになったのが、捜査一課の刑事・新田浩介でした。

実は暗号を解き明かしたのは新田。優秀だが、問題行動も多い…。
その教育係を任されたのが、優秀なフロントクラーク・山崎尚美です。

お互いの立場も考え方も違う2人。
衝突を繰り返しながらも、日々起こるホテルでの出来事に対峙していくうちに、互いを認め合うようになります。

そして厳戒態勢の中で迎える運命の1日。
果たして2人は、仮面(マスカレード)をかぶった犯人を見つけることができるのか…。

■読み直し

だいぶ前に読み終えていた小説「マスカレード・ホテル」
映画化されるということで、あらためて読み直してみました。

優秀な問題刑事・新田を演じるのが木村拓哉さん。意外にも、刑事役は初めてなのだとか。
優秀なフロント・尚美を演じるのが長澤まさみさん。こちらも意外にも、木村さんとの共演は初めてなのだとか。

ただ、その2人をイメージしながら小説を読み直すと、シーンの数々が立体的に浮かび上がります。
言われてみれば、新田の仕草一つひとつが木村さんに重なります。ぶっきらぼうな感じとか、上層部とぶつかる場面とか。

東野さんが、小説を連載中から木村さんを思い浮かべていたというのも納得です。
さらに尚美が長澤さんかと思うと、もうフロントが美男美女すぎて…。行列ができる人気ホテルになっちゃいそう。

ストーリーは、連続殺人事件をベースに進むものの、日々ホテルで起こる悲喜こもごものドラマがサイド・ストーリーとして展開します。
ストーカーから追われる女性客、クレーマーの男性客、盲目を装う女性客などなど…。

この辺りは、東野さんの加賀恭一郎シリーズ「新参者」に近い感じですね。
だから、読んで思ったのが、映画もいいけどTVドラマにも向いているんじゃないかなということ。
「新参者」も、サイドストーリーが一つのドラマになっていて、1話ずつ積み重なって一つの事件の解明につながっていく形が面白かったですね。

「マスカレード・ホテル」も、そのサイド・ストーリーを通じて、新田と尚美が次第に信頼しあうようになります。
そして、そのことが難事件の解明にどのようにつながっていくのか…。それは、読んでから(観てから?)のお楽しみ。

舞台は超一流ホテル。ここに連続殺人犯がまぎれている。捜査対象、全宿泊客。

映画も観たくなってきたな…。もちろん、小説「マスカレード・ホテル」、おススメです。

ありがとう、マスカレード・ホテル! ありがとう、東野圭吾さん!

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