こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、名作マンガが奇跡の復活!「プレイボール2」です。
■プレイボール2
マンガ「プレイボール」。
ちばあきお氏による青春野球マンガの名作です。
週刊少年ジャンプに、1973年から1978年まで連載されました。
筆者の体調不良から連載終了。筆者はその後亡くなり、「プレイボール」は未完のまま終了となりました…。
単行本は全22巻が刊行されています。
そんな名作「プレイボール」の奇跡の続編が生まれました。
それが今回紹介する「プレイボール2」です。
プレイボール2(1)
なんと38年ぶりの続編。
もちろん作者のちばあきお氏不在ですから、同氏の熱烈なファンというコージィ城倉さんが筆をとっています。
こんな続編の描き方ってあるんですね。「リバイバル系マンガ」と呼ぶようで、実はちょっととしたブームになっています。
先般、当「夢中図書館」で紹介した、「日経エンタテインメント!」2018年12月号、特集「今、読むべきマンガ80」にも取り上げられています。
■あらすじ
都立の公立高校、墨谷高校野球部。
キャプテン谷口は、懸命の練習でチーム強化を進めますが、甲子園出場校・谷原高校との練習試合に惨敗…。
チームと甲子園のへだたりに大きなショックを受けます。
挫けそうになりながらも、チーム立て直しに走るキャプテン谷口。
「墨谷の甲子園への道は遠くはない」。
そんな前作「プレイボール」のラストを受け継ぎ、「プレイボール2」は谷口のチーム再建のシーンから始まります。
東東京大会を勝ち抜くためには、谷口、松川に次ぐ第3のピッチャーが必要と考える谷口。
1年生の井口を起用することにしますが、同僚の倉橋はイガラシを推し対立します。
そこで二人をブルペンに呼んでテストすることにしますが…。
甲子園に向けて猛練習を重ねる墨谷高校。
強豪校との差を埋めるのは努力と気力。懸命の練習が続きます。
そして物語は甲子園に向けたラストチャンス。キャプテン谷口の最後の夏を迎えます。
■めざせ!甲子園
漫画「キャプテン」で、墨谷二中時代にキャプテンの地位を受け継いだ、谷口が3年、丸井が2年、イガラシが1年。
さらに中学時代のライバル倉橋らが加わり、ゴールデンメンバーとなった墨谷高校。
墨谷二中のライバルとして立ちはだかった元青葉学院の佐野も登場します。
ファンにはたまりませんね。
プレイボール2(2)
物語の見どころは、やはり最後の夏を迎えた谷口が甲子園に行けるかどうか。
谷口を敬愛する丸井やイガラシらが、谷口の夢を実現すべく鬼のような練習に歯を食いしばります。
単行本は現在、4巻まで刊行。
物語はすでに大きな山場、エース佐野を擁する東実戦を迎えます。
谷口を甲子園に連れていくべく、丸井が走ります。
「谷口さんの最後の大会!死んでもセーフになる!」
一方、そんな丸井の気持ちを分かりながらも、谷口は丸井にこう言います。
「「よく走った」と言ってやりたいとだが…」
「丸井!オマエに途中でけがされたら…。甲子園に行く計画が台無しになっちまうんだよ」
こんなやり取り、なんかいいですよね。
甲子園の夢。尊敬する先輩のために自分が犠牲になってもかまわない…。
なんか懐かしい高校球児の姿がそこにあります。
作者のコージィ城倉さんは、「プレイボール」の続編を描くにあたり、舞台を10年後にする等の構想を練ったそうです。
ただ結局は、「プレイボール」のラストから続く、その後の墨谷高校を描くことにしました。
だから舞台は40年も前の昭和の東京下町。
谷口と丸井、そしてチームの仲間たちの、ウエットなやり取りも、猛練習に励む姿も、その時代を反映しているのかもしれません。
それにしても、コージィさんの絵。ちばさんの絵そのまんま。
よこぞここまで受け継ぎました。全く違和感なく頁をめくることができました。
38年ぶりの「プレイボール」。谷口は、墨谷高校は、果たして甲子園に行けるのか!?
すでに目が離せません。
ありがとう、「プレイボール2」!がんばれ、谷口、墨谷高校!