徳川家康(24)戦争と平和の巻!決戦"大坂冬の陣"!いかに豊臣軍は敗れたか

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今日の夢中は、徳川家康(24)戦争と平和の巻!決戦"大坂冬の陣"!いかに豊臣軍は敗れたか…です。
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■あらすじ

ついに戦端が開かれた徳川と豊臣の合戦、大坂冬の陣
緒戦に敗れた豊臣方は、早々に大坂城に引いて籠城することを決します。

それでも圧倒的な兵力差のある両軍。将軍秀忠は、総攻めにより一気に城を落とすことを進言します。
しかし家康は、大坂城への力攻めを諫め、力の差があるからこそ長滞陣するよう命じました。

"折角の泰平をありがたいとも思わず…"。無用な戦を望まない家康は、水面下で和議に向けた交渉を進めます。
ついには、大坂城天守に向けて大砲を放って恫喝。恐怖した秀頼・淀殿母子らは、真田幸村らの思惑をよそに和議を結びました。

こうして大坂冬の陣は、大坂城を戦場にすることなく終結。秀頼らの命も救われました。
しかし講和条件によって、城を囲む堀が埋め立てられ、大坂城は裸同然に…。それはやがて、次なる戦…大坂夏の陣を呼ぶのです。

■大坂冬の陣

時代小説史に残る名著、山岡荘八「徳川家康」全26巻
第24巻「戦争と平和の巻」では、徳川と豊臣の合戦"大坂冬の陣"の経過が、勝者と敗者それぞれの立場から克明に描かれます。

特に、豊臣方が意気揚々とした開戦から一転、和議に至る経緯は読みどころの一つ。
決戦から和議へ…。豊臣軍が転げるように敗戦に向かう様が、真田幸村の目を通して語られます。

これはおかしな空気になったぞ…。籠城戦に入ってから、幸村は城内の変化を感じるようになります。
大坂城を20万人にも及ぶ徳川軍が囲み、一方の豊臣方には期待した秀吉恩顧の大名らも来ず、はじめに決戦を口にした人々はみな沈黙…。

そんな中、徹底抗戦をとなえるのは、はじめは消極的だった秀頼一人という状況になっていました。
そこに大野治長から幸村に、秀頼を説得してくれという懇願があります。「こんどの戦、実は今年中に和議を結ぶことは内定してござる」と…。

(大坂城/写真ACより)

"幸村はかくべつに呆れもしなかったが、さりとて笑う気にも、責める気にもならなかった"。
"大人たちの野心の火遊びが、彼等の知らぬ間に、秀頼や重成、道犬といった若木たちに燃えうつって、今はもはや消し難い勢いを持ちだしてしまった"。著者の辛辣な表現が続きます…。

そんな秀頼も、幸村が説得するまでもなく、泣き崩れる淀殿らの和議を求める声を前に戦意を失っていきます。
やがて和議と決まって諸将が集められると、その前で秀頼は「無念じゃ」と正直に感情を口にしますが、そこでも淀殿が、よかれと思って、この和議は秀頼のために自身が進めたのだと叫びます。

幸村ら集まった武将の無念さは推して知るべしです。彼らにとって、戦う理由は「秀頼一人の無事」だけではなかったはず…。
さらに幸村は、大坂城の堀を埋め立てるなどの講和条件を聞いて、一時は命をつないだとしても、豊臣家に先が無いことを悟るのです…。

やがて、幸村の想像のとおり、豊臣家は滅亡に向けて、ふたたび兵を挙げることとなります。
徳川と豊臣の最後の戦い、大坂夏の陣がはじまるのです…。

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