最強の藩はどこ?最高の名君はだれ?歴史人「江戸三百藩最強ランキング」

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

今日の夢中は、歴史人2020年1月号の特集「決定!江戸三百藩最強ランキング」です。

■歴史人2020年1月号

ひと足先に月刊誌は2020年に突入…。
歴史好きに愛読されている月刊誌「歴史人」も2020年1月号が発行されました。

2020年のスタートを飾る特集は、江戸260年を総括する保存版特集。
「決定!江戸三百藩最強ランキング」です。


歴史人2020年1月号

江戸幕府を支えた全国の「藩」。その数はなんと約300にもなります。
歴史人がその300の藩を徹底検証。石高だけでなく藩主の能力などもふまえて藩力をランキングしました。

数ある藩のなかで、もっとも強い藩はどこなのか?あの大名、あの家臣の活躍した藩は何位なのか?
今日は、歴史人2020年1月号「決定!江戸三百藩最強ランキング」をとり上げます。

■江戸三百藩最強ランキング

それにしても、すごいランキングだ…。
「石高」「産業」「藩主」「家臣団」「改革」の5項目を各20点で評価したランキングは、最高点が96点、最低点が5点。

誌面にずらりと並ぶ、名の知れた雄藩からどこにあるのか知らない小藩まで302藩。
ランキングにして1位から299位まで(同率があるため)。よくぞここまで精緻にまとめたものです。
さすがは歴史人、その分析力は驚嘆に値します。

その歴史人が推す最強の藩ベスト5を見てみましょう。

第1位 薩摩藩
第2位 佐賀藩
第3位 加賀藩
第4位 尾張藩
第5位 長州藩

最高点96点をとって頂点に立ったのは、幕末維新をリードした「薩摩藩」でした。
関ヶ原の存亡の危機から、幕末維新のリーダーへ。藩主を支えた薩摩隼人の結束力は、「家臣団」で最高の20点を獲得。
他の項目も安定の高得点。琉球貿易や特産品売買で培った経済力は後に幕府を倒す原動力となりました。

この5藩のうち、もっとも意外に思うのは2位の「佐賀藩」ではないでしょうか。
こちらは「産業」と「改革」で満点の20点。いかんともしがたい「石高」の低さが無ければさらに高得点もうかがえました。

実は佐賀藩、黒船来航の40数年前に、英軍艦の侵入を受けているのです。
いち早く開明的な思考を身に着けた同藩は、積極的に西洋技術を採り込んで軍事力や経済力の強化に励みました。
特に、名君とされる10代藩主の鍋島直正は教育に積極的に取り組み、すべての藩士の子弟に藩校弘道館での就学を義務付け、和漢だけでなく蘭学や医学の教育を実施。大隈重信ら有為の人材を輩出しました。
「幕末の最先端藩」。歴史人は佐賀藩をそのように評しています。


漫画・鍋島直正

■名君ランキング

実は、この歴史人2020年1月号には、他にも興味深いランキングが掲載されています。
それがこちら、「江戸260年 名君ランキング」です。

こちらは、江戸260年を「初期」「中期から後期」「幕末」と3つの時代に区切り、それぞれ15人の名君をリストアップ。
「指導力」「経営力」「先見力」「外交力」「人事育成力」の5つの条件でランキングしたものです。

これまた見ごたえ満点。ぜんぶ紹介したいくらい、内容が充実しています。
たとえば、江戸時代初期を支えた「創世の名君」ベスト3はこちら。

第1位 保科正之 会津藩初代
第2位 黒田長政 福岡藩初代
第3位 伊達政宗 仙台藩初代

独眼竜・伊達政宗や軍師官兵衛の嫡男・長政を抑えてトップに推されたのは、会津藩初代藩主・保科正之
藩政においては、農民を手厚く保護し徴税を抑える一方で新田開発にあたらせ、財政改革に成功。
さらに幕政にも参画し、明暦の大火からの再建や有為な人材登用などの改革を成し遂げました。

「歴代最高の名君」と言われる保科正之。実は徳川3代将軍・家光の異母弟です。
兵力強化も怠らず、将軍家に有事の際は必ず助けるという「会津魂」は、幕末にまで受け継がれることになります。


保科正之-徳川将軍家を支えた会津藩主/中村彰彦

■暴君ランキング

一方で、そんな名君とは真逆の「暴君・暗君!ワースト10」なんていうランキングも掲載されています。

「こんなお殿様がいたのか!」という困った殿さまたちがずらり…。
幕政違反から圧制、乱心…。目に余る素行や乱行も。家臣も領民も迷惑したことでしょう。

たとえば、ワースト1位に選出された徳川重倫(しげとも)
「徳川」の名を冠している通り、徳川御三家のひとつ、紀伊徳川家の8代藩主です。

このひとの暴虐無残ぶり、奇行の数々はひどい…。まさに「こんなお殿様がいたのか!」と驚きます。
家臣のわずかな失敗を咎めて刀で串刺し。激怒すると刀を振り回し屋敷を走り回り、舟遊びでは船頭に鉄砲を撃ち込む…。
後に10代藩主となる治宝の生母も、ふいに刀を振り回して斬り殺しています。このとき近くにいた赤子の治宝は、危機一髪のところを老女に救われました。

ほかにもひどいお殿様とその乱心ぶりがずらり…。
「上司は選べない」なんて言いますが、「お殿様も選べない」。
今の世も江戸の世も変わらず、仕える身には困ったものですね…。リーダーよ、もっとノブレス・オブリージュ(身分の高い者はそれに応じて果たさねばならぬ社会的責任と義務があるという道徳観)を身につけてください。

ありがとう、歴史人! ありがとう、江戸三百藩最強ランキング!

ブログランキングに参加しています!

にほんブログ村 本ブログへ

 

 

 

 

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事