旅の手帖「小説の舞台を辿る」黒髪の乙女、おもてなし課、雪国の駒子

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

今日の夢中は、「旅の手帖」2022年2月号の特集「小説の舞台を辿る」です。

■旅の手帖

旅の楽しさ、日本の美しさを伝える旅行雑誌、「旅の手帖」
2022年2月号は、読書好きの紳士淑女の皆さんが喜ぶ特集が組まれました。

それが本号の特集、「小説の舞台を辿る」
サブタイトルは、「作者が描いたあの場所へ」。


旅の手帖2022年2月号

これはたまらない特集ですよね。本好きのひとは、一度は思ったことがあるはず。
大好きな小説の舞台となった町を訪れてみたいって…。

実際に「聖地巡礼」などと呼んで、映画の舞台となった町を訪れる旅も人気です。
映画だけじゃない。小説だって、聖地を巡礼したい。あの物語、あの町、あの名シーンが頭に浮かびます。

物語の舞台に立ったら、きっと心が弾むはず…。
それを実感させてくれる特集が、本号の「小説の舞台を辿る」旅です。
今日は「旅の手帖」の誌面から小説の舞台へ、聖地巡礼の旅に出かけましょう。

■夜は短し歩けよ乙女

「旅の手帖」でとり上げる小説は、太宰治から室生犀星、よしもとばななまで、多岐にわたる8作品。さらに、文豪ゆかりの温泉宿なども掲載されています。
今日は、その中から個人的に特に惹かれた聖地巡礼旅を紹介しましょう。

まずは、京都府京都市。「乙女気分で京都の街をそぞろ歩く」
森見登美彦「夜は短し歩けよ乙女」の舞台を辿る旅です。


森見登美彦「夜は短し歩けよ乙女」

同作は、京都を舞台に「黒髪の乙女」と彼女に思いを寄せる先輩の恋模様を描いた、ちょっと風変わりな恋愛小説です。
ストーリーには、先斗町の飲み屋や京大北門前の喫茶店など、京都に実在するスポットがあちこちに登場します。

記者が最初に訪れたのは「下鴨神社」。ここは黒髪の乙女と先輩が出会う場所です。
シーンは夏の古本市でした。実際に毎年8月に境内の糺の森で「下鴨古本まつり」が開催されるのだそう。


(糺の森/写真ACより)

さらに、京大北門前の喫茶店「進々堂」へ。小説では、黒髪の乙女と先輩がコーヒーを飲む約束をして、窓際の席に座りました。
記者も小説と同じく、窓際に座ってミルクたっぷりのコーヒーを飲みます。分かるなぁ、その気持ち。

そして、夜の先斗町。小説に登場する「月面歩行」のモデルになった店「バームーンウォーク」へ。
そう、黒髪の乙女は酒豪でした…。なんと作中に登場した偽電気ブランもあるそう。これはぜひ、黒髪の乙女と酩酊したい!

■県庁おもてなし課

続いて、高知県高知市・馬路村ほか。「高知はまるごとレジャーランド」
有川ひろ「県庁おもてなし課」の舞台を辿る旅です。


有川ひろ「県庁おもてなし課」

こちらは、錦戸亮さん・堀北真希さんをキャストに映画化されてますね。
小説も映画も高知県が舞台。作品名にある「おもてなし課」は、実際に高知県庁にあるそうです。

この作品、聖地巡礼にぴったりですよね。何しろ、おもてなし課のミッションは観光促進。
物語は、豊かな自然が広がる高知を西へ東へ、海へ山へ。「高知県まるごとレジャーランド化」をキーワードに展開していきます。

作品に登場する馬路温泉では、物語そのまま美肌温泉と地元料理を楽しめます。
他にも室戸岬吾川スカイパーク、日本最大級の青空市「日曜市」など盛り沢山。これは、まるごと「おもてなし」されたい!


(室戸岬海岸/写真ACより)

■雪国

そして、新潟県湯沢町。「不朽の名作を生んだ湯けむりの里・湯沢」
こちらは名作、川端康成「雪国」の舞台を辿る旅です。


川端康成「雪国」

「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」
この有名な書き出しのモデルとなったのは、上越線の清水トンネルと言われます。

ただ、今は上り専用になったため、清水トンネルを抜けて新潟に入ることはできません。
それでも、付近には毛渡沢橋梁など上越線開通当時の遺構が残っています。これはレトロな聖地巡礼を楽しめそう…。

さらに誌面で紹介されているのは、「雪国」執筆の宿として知られる「雪国の宿 高半」
そのときから建物はリニューアルされましたが、川端康成さんが「雪国」を執筆した「かすみの間」はそのまま移築保存されています。

他にも、ヒロイン駒子のモデルと言われる芸者・松栄の部屋は歴史民俗資料館「雪国館」に移築保存されています。
こうして作者や登場人物に思いをはせる旅もいいですね。川端さんも浸かった温泉でゆっくり、作品の名シーンに思いをめぐらしたい…。

他にも、東京都世田谷区(よしもとばなな「もしもし下北沢」)や長崎県長崎市(桐野夏生「だから荒野」)など、すてきな小説の舞台が紹介されています。
皆さんも、大好きな文庫本を片手に、小説の舞台を辿る旅に出かけてみませんか?

ありがとう、旅の手帖! ありがとう、特集「小説の舞台を辿る」!

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