今村翔吾「塞王の楯」!"最強の楯"と"至高の矛" 勝利はどちらの手に?

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館長のふゆきです。

今日の夢中は、今村翔吾「塞王の楯」!"最強の楯"と"至高の矛" 勝利はどちらの手に?です。
「夢中図書館 読書館」は、小説や雑誌などの感想や読みどころを綴る読書ブログです。あなたもお気に入りの一冊を見つけてみませんか?

■あらすじ

どんな攻めをも、はね返す石垣どんな守りをも、打ち破る鉄砲
果たして、いずれが戦国の世を終わらすことができるのか…。

幼い頃、落城によって家族を失った匡介(きょうすけ)。
彼は石垣作りの職人集団"穴太衆"(あのうしゅう)で育てられ、やがて"塞王"を継ぐ後継者と目されるようになります。
戦を憎む匡介は「絶対に破られない石垣」を作れば戦を無くせると信じ、石積みの技を磨き続けました。


(石垣/写真はイメージです)

一方、同じように戦で父を亡くした彦九郎(げんくろう)。
彼は鉄砲作りの職人集団"国友衆"(くにともしゅう)に入り、やがて国友衆始まって以来の鬼才と称されるようになります。
彦九郎の願いも戦を無くすこと。そのために「どんな城でも落とす砲」を作ることが、戦の抑止力になると信じていました。

そして、ついに両者が激突するときが訪れます。
匡介は、琵琶湖畔に建つ大津城の主・京極高次から城を守る石垣の改修を任されます。
一方、彦九郎は攻め手の石田三成から城を攻め落とす鉄砲の製造を依頼されます。

関ヶ原前夜、大軍に囲まれ絶体絶命の大津城を舞台に、宿命の対決が幕を開けます。
「最強の楯」と「至高の矛」…果たして勝つのはどちらか。決死の攻防戦の行方は

■読みどころ

読み進めるほどに、感情を持っていかれました…。
幾度となく息を呑み、幾度となく涙がこぼれました。

こんな小説、あったでしょうか…。特に後半、クライマックスの大津城攻防戦は圧巻。
迫力の戦闘シーンと胸を打つ感動シーンが代わる代わるやって来ます。


塞王の楯

まずは戦闘シーン。穴太衆と国友衆の信念をかけた決戦が繰り広げられます。
片やこれまでの合戦史上で類を見ない新式銃を繰り出せば、片やこれまでの合戦史上で類を見ない石積みで城を守ります。

はじめは、匡介ら穴太衆が攻め手の目論見を読んで攻撃をはね返しますが、そこに彦九郎が新たな武器を投入します。
それは彦九郎が「乱世を終わらせることもできる」と称する大筒「雷破」でした。この雷破が火を噴きます。危うし大津城…。


(琵琶湖/写真はイメージです)

絶体絶命のなか、匡介を奮い立たせるものがありました。
「あとはお前の仕事だ。頼むぜ、塞王」。ときに反目していた穴太衆の小組頭・玲次が決死の作戦を敢行して匡介に託します。
「大津の民のために戦ってくれ」「儂は塞王を信じる」。城主の京極高次が自らの命をかけて匡介を支え続けます。
そして高次の妻・初も、初の侍女・夏帆も、かたく匡介を信じ続けます。そして死んだはずの妹・花代のある言葉が匡介の背中を押しました…。

何としても、城を、民を、家族を守るんだ。戦を終わらせるのだ…。俺たちはそのために技を磨いてきたのではなかったか。
次々と押し寄せる感動シーン…。そして、雷破の波状攻撃が迫るなか、匡介は驚愕の作戦に打って出るのです…。

今村翔吾さんが描く究極のエンターテインメント戦国小説。第166回直木賞受賞作です。
「最強の楯」と「至高の矛」の戦いの行方に、きっとあなたも感情を持っていかれるはず…。
果たして勝利はどちらの手に…。匡介が最後にとった作戦とは?「塞王の楯」の正体とは?感動の結末は、ぜひ本書を手に取って確かめてください。

ありがとう、「塞王の楯」! ありがとう、今村翔吾さん!

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