徳川家康(14)明星瞬くの巻!秀吉迷走、利休切腹そして大陸出兵へ…

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館長のふゆきです。

今日の夢中は、徳川家康(14)明星瞬くの巻!秀吉迷走、利休切腹そして大陸出兵へ…です。
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■あらすじ

小田原北条氏を滅ぼし、政敵の家康を関東に転封…。
ついに天下人の地位を盤石なものとした豊臣秀吉

人生の絶頂をむかえた秀吉ですが、そこに転落の足音がしのびよります。
彼を支えてきた弟・秀長が逝去。さらに側近・千利休と不和を生じると激怒して切腹を命じます。


(千利休像/写真ACより)

少しずつ理性を失っていく秀吉…。それを決定的なものとしたのは、愛息・鶴松の死でした。
これにより正気を失ったように、秀吉は朝鮮出兵の暴挙に打って出るのです。

秀吉麾下の武将も、寧々も、堺衆も、そして家康も懸念するなか、戦端の幕は切って落とされました
果たして、朝鮮出兵の行方はいかに?理性を失う秀吉の運命は…。家康は、傾いていく日の本を救うことができるのか。

■利休切腹

時代小説史に残る名著、山岡荘八「徳川家康」全26巻
第14巻「明星瞬くの巻」では、利休の切腹から朝鮮出兵へ…秀吉の治績を貶めた晩年が描かれます。

徳川家康(14)

これは、秀吉の年齢による老耄なのでしょうか、それとも権力の頂が招いた傲慢なのでしょうか…。
それまで隙なくひらめいていた知略や人たらしの才は、ここに来てすっかり衰えてしまったようです。

特に本巻前半で描かれる利休とのやり取りは、天下を統べる者としてはあまりに拙い。
小説にも描かれ、切腹の一因ともされる、利休の娘を妾にしたいという申し出。これを利休は毅然と断ります。

これを含め、利休は秀吉の傲慢な言動に警報を鳴らしていたのでしょう。ただ、それは秀吉には届きませんでした。
こうして利休、そして弟・秀長と、これまで秀吉に直言できた側近がいなくなったことが、晩年の迷走を招いた要因となったのは間違いありません。

そんな理性を失いつつある秀吉に追い打ちをかける悲しい出来事が訪れます。愛息・鶴松の夭折…。

取乱す…などというものではなかった。このまま秀吉は狂ってしまうのではあるまいかとあやぶまれるほど、それは傍若無人な悲嘆ぶりであった。

この精神的なダメージが、さらに秀吉の昏迷を深めていくことになるのです。

■北政所・寧々

もう一人、秀吉に直言できる人間がいました。妻の北政所(寧々)です。
家臣ら以上に秀吉の大陸出兵に不安を抱く寧々は、何とかして思いとどまらせようと家康などにも働きかけます。

しかし、そんな寧々の心配をよそに、傷心を癒す湯治の旅から帰ってきた秀吉は驚きの言葉を告げるのでした。
「わしは今年のうちに日本の関白は秀次に譲ると決めたぞ」。寧々は尋ねます。「して殿下はなんとするのじゃ」。

「大明国へ天子を奉じて参っての、秀吉はその関白じゃ」

皮肉なことに、鶴松の死が「ふしぎな反省と自虐の中へ」秀吉を追い込み、大陸出兵の決意を固めることになったのです。
寧々は思わず固く眼をつむります。すでに悍馬は走り出している…。おそらくどんなことを言っても、もはやとどまることはあるまい…。

それでも寧々は必死に思い留めさせようとしますが、彼女の想像通り、秀吉の考えが変わることはありませんでした。
黙って、じっとして居れば不世出の関白でいられるものを…。もし、ここで思いとどまらせる手段があれば…。あるならそれは、自分より他はない…。

真正面から話して、聴く相手ではないのは知れてあれば、刺すか毒害かのほかにないと思ったのだ。

しかし、寧々にはできませんでした。14歳から連れ添った間柄…。彼女は、その後に来たる運命も共にしようと覚悟したのでしょう。
そして、彼女の懸念した通り、誰も喜ばない朝鮮出兵は決行されることになったのです。

果たして、朝鮮出兵の行方はいかに?秀吉の迷走はどこまで続くのか…。
そして、混乱のさなか思わぬ出来事が訪れます。運命の子秀頼が大坂城で生まれたのです。果たして、日の本の行方は…。

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