「ジパング 深蒼海流」!かわぐち流“源平合戦絵巻” もう一つの鎌倉殿物語

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

今日の夢中は、「ジパング 深蒼海流」!かわぐち流“源平合戦絵巻” もう一つの鎌倉殿物語です。
「夢中図書館 読書館」は、小説や雑誌などの感想やレビューを綴る読書ブログです。あなたのお気に入りの一冊を見つけてみませんか?


ジパング 深蒼海流(1)

■あらすじ

ときは平安末期。源氏と平家が抗争を繰り広げる動乱の世に、運命の兄弟があらわれました。

ひとりは、源頼朝
頼朝は13歳にして初陣となる平治の乱に出陣しますが、その戦で源氏は平家に敗れ、父義朝をはじめ一族のほとんどが命を落とします。
頼朝自身も斬首寸前のところを平清盛から救われ、伊豆に配流となりました。


ジパング 深蒼海流(2)

もうひとりは、源義経
頼朝の異母弟、幼名・牛若丸は、父義朝が敗死したことにより鞍馬寺に預けられます。
後に平泉の地に移り成長した義経は、頼朝挙兵の報を聞くと、少数の郎従を引き連れて頼朝のもとに駆け付けました。


ジパング 深蒼海流(6)

やがて迎える、源氏と平家の宿命の対決…。
一ノ谷、屋島、そして壇ノ浦へ…。頼朝と義経は、父の敵・平家一門を打ち破ることができるのか。
そして訪れる、兄弟のいかんともしがたい訣別…。
平徳子、北条政子ら愛する女性たちの思いが錯綜するなか、果たして2人の運命はどうなるのか。

■義経と徳子

なんとも面白い歴史漫画に出会いました。
それが今日とり上げる、「ジパング 深蒼海流」(ジパングしんそうかいりゅう)。かわぐちかいじさんの作品です。

かわぐちさんと言えば、「沈黙の艦隊」や「ジパング」「太陽の黙示録」などの代表作で知られる漫画家。
奇抜なストーリー設定が持ち味で、「沈黙の艦隊」では最新鋭の潜水艦が独立国家を宣言し大国と戦うストーリーを描き、「ジパング」(本作とは別物)では海自イージス艦が太平洋戦争の時代にタイムスリップする物語を描きました。


沈黙の艦隊(1)

本作「ジパング 深蒼海流」でも、とんでもないストーリー設定が仕掛けられました。
平安末期の史実を基にしながら、独自の「仮説」から描かれるアナザー源平合戦。かわぐち流の「源平合戦絵巻」になっています。

物語を通して貫かれる最大の仮説。それは、源義経と平徳子(建礼門院)が恋仲だったというもの。
壇ノ浦の戦いも衣川の戦いも、この2人の関係が引き起こしたものだった…。


ジパング 深蒼海流(13)

無理があるだろうと思いながらも読み進めていくと、これが意外にハマるのが不思議。
たしかに、壇ノ浦で入水した建礼門院を義経は救っています。そして、この2人が船上で結ばれたという伝承もあります。

この辺りから想像をふくらませたのかもしれませんが、出会いから最後まで見事なまでに愛憎のドラマに仕立て上げています。
特に、帝のもとに入内する徳子のもとに、命を顧みずに駆け付ける義経のシーンは激アツ。平安時代のロミオとジュリエットみたい。
史実にはないエピソードですが、かわぐち流「源平合戦絵巻」では重要なシーン。これが後の兄頼朝との対立につながっていくのです…。

■頼朝と義経

その頼朝と義経の関係も、かわぐち流「源平合戦絵巻」ならではの興味深い仮説が立てられています。
それは、頼朝・義経兄弟は強く固い絆で結ばれていたというもの…。

通説では、頼朝と義経は相克し、互いに追討の兵を挙げると、最後は頼朝が義経を攻め滅ぼしたことになっています。
しかし、この「ジパング 深蒼海流」の中では、相克どころか互いに信頼し合う無二の兄弟として描かれるのです。


ジパング 深蒼海流(9)

じゃあ、有名な腰越の訣別はどうして起きたの?なぜ頼朝は義経追討の兵を挙げたの?
歴史ファンなら当然そんなツッコミを入れたくなりますが、そんな疑念を見透かしたように、そこに至る両者の心理が克明に描かれます。

おそらく「こうだったらいいな」という読者の思いも込められているのでしょうね。
そうした読者の思いまで取り込んで、「さもありなん」と思わせるストーリー作りは、さすがはかわぐちさん。その底知れぬ想像力に脱帽です。That’s Entertainment!

そして物語はクライマックス、義経最後の戦い「衣川の戦い」を迎えます。
追い詰められた義経はどうなるのか。義経と徳子の恋の行方は?義経と頼朝の絆は潰えてしまうのか…。衝撃の結末は、ぜひ本誌でご覧ください。


ジパング 深蒼海流(23)

他にも驚きのストーリー設定が盛り沢山。北条政子が、平清盛が、後白河法皇が、二位尼が…。
かわぐちかいじさんが描く源平合戦絵巻、「ジパング 深蒼海流」。迫力満点の歴史漫画、傑作です。

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」ファンにもおすすめ。頁を開くと、そこにもう一つの鎌倉殿の物語が広がります。
特に、義経ロスで悲しんでる皆さんは、一度手を取ってみてはいかがでしょうか。義経の新たな魅力に引き込まれますよ。

ありがとう、かわぐちかいじさん!ありがとう、「ジパング 深蒼海流」!

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