こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

今日の夢中は、万城目学さんの長編小説「プリンセス・トヨトミ」です。

■プリンセス・トヨトミ

先日、ちょいと大阪の街へ行ってきました。念願の大阪城もぶら歩き。
※そのときの記事は、夢中図書館「街あるき館」のこちら

現在の大阪城は徳川氏が築城した櫓や石垣等の遺構に、昭和期に復興した天守。
かつて天下を統べた豊臣家の大阪城は、大阪夏の陣で落城し、その遺構はいまも地下に眠っています。

…という大阪城を目の当たりにして思い出したのが、この小説。
万城目学さんの「プリンセス・トヨトミ」です。

プリンセス・トヨトミ

万城目ワールドへようこそ。
今日は、万城目学さんの関西三部作の一つと呼ばれる、「プリンセス・トヨトミ」をとり上げます。

ちなみに、「鴨川ホルモー」は京都が舞台。「鹿男あをによし」は奈良を舞台としています。
そして、この「プリンセス・トヨトミ」は大阪が舞台です。

鴨川ホルモー

さらに言えば、「鴨川ホルモー」の主人公は大学生、「鹿男あをによし」は高校教師。
「プリンセス・トヨトミ」の主人公は、会計検査院の敏腕調査官。3作のなかでは一番デキがいいかも。

鹿男あをによし

さて、そのあらすじはというと…。

■あらすじ

その日、大阪が全停止した。。。
5月31日、午後4時。突如として大阪で一切の営業活動、商業活動が停止。地下鉄、バス等の公共機関も運転を止めました。

そこからさかのぼること10日前。
会計検査院の調査官3人が大阪に乗り込みます。敏腕副長・松平は、鳥居・旭とともに、謎の団体「OJO」に検査の手を入れようとしますが…。

同じ頃、大阪市立空堀中学校に通う2人の中学生。女の子になりたいという大輔に対する壮絶ないじめを見て、幼馴染の茶子はある行動に出ますが…。

一見、何の関わりのない2つの行動が、400年の長きにわたる歴史の封印を解きます。
その鍵を握るのは、トヨトミの末裔でした。。。

■平成の大阪夏の陣

主な登場人物の名前を見るだけで、歴史ファンはにんまりしてしまいます。

東京からやって来た調査官の苗字は「松平」で、名前は「元」。徳川家康の改名前の名は、松平元康でした。
部下の「鳥居」も、家康の側近、鳥居元忠を想起します。

一方、大阪方は、セーラー服で登校する大輔の苗字は「真田」。ちなみに、真田幸村の長男も「大助」という名前でした。
ということで、大輔の父親の苗字も「真田」で名前は「幸一」。彼も重要な鍵を握る人物です。

他にも、蜂須賀や浅野、長宗我部、宇喜多といった、馴染みの名前も登場します。
茶子の苗字が「橋場」(はしば)って、ねぇ。名前も名前だし…。

まあ、登場人物の名前を見て、「この物語が分かった」なんて思うのは大きな間違い。
実は、そこから壮大な万城目ワールドが広がります。

物語は、会計検査院の側のストーリーと大阪市立空堀中学校をめぐるストーリーとが、交互に展開します。
そして、両者が重なり合うとき、歴史が動き出します。時を経たずして大阪城が赤く燃えるのでした…。

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400年にわたり守り続けてきた秘密とは何か。
大輔はいじめを克服できるのか。松平は真相を突き止めることができるのか。

…などなど、見どころは山のようにありますが、個人的に万城目作品の中でも大好きなシーンがあります。
それは、終盤の、松平と真田幸一とのやり取りの場面。平成の徳川対真田の一騎打ち。

ネタばれになるので詳しくは言えないですが、そこには、家族を持つ全ての人に聞かせたい言葉があります。
文庫本では467頁から476頁、「なぜ信じる?」という松平の問い。そして、それに対する真田の言葉。

何度読んでも、熱いものがこみ上げます。
万城目さんって、奇想天外なストーリーが持ち味だけど、根っこのところに必ずヒューマンドラマを描き込んでるんだよなぁ。
いつもドキドキ、ワクワクのあとに、あったかい感じが胸に広がります。

映画化もされていますが、やはり書籍版がおススメです。
ありがとう、プリンセス・トヨトミ! ありがとう、万城目学さん!

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