徳川家康(9)碧雲の巻!信長の後を継ぐのは誰か?清須会議、賤ケ岳の戦いの果てに

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館長のふゆきです。

今日の夢中は、徳川家康(9)碧雲の巻!信長の後を継ぐのは誰か?清須会議、賤ケ岳の戦いの果てに…です。
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■あらすじ

織田信長のあとを継ぐのは誰か?
戦国の行く末を左右する会議が尾張清州城で開催されます。通称「清須会議」

その場に集まったのは織田家重臣、柴田勝家、丹羽長秀、羽柴秀吉、池田恒興。
織田家家督や遺領分配を巡って思惑が錯綜するなか、大きく存在感を示したのが羽柴秀吉でした。

秀吉は自らが推す三法師(信長の嫡孫)を擁立すると、領土でも織田家遺領の多くを手に入れ躍進。
清州会議によって、それまで重臣筆頭であった勝家から新進気鋭の秀吉へ、織田家内部の勢力図が大きく塗り替えられたのです。

秀吉の台頭は、やがて織田家臣団に亀裂を生んでいきます。特に関係が悪化したのは、勝家と秀吉…。
両者の対立は修復しがたいものとなり、ついに戦乱が勃発します…「賤ケ岳の戦い」。それは織田から秀吉へ、天下の趨勢を変えていくことになるのです。

■清須会議

時代小説史に残る名著、山岡荘八「徳川家康」全26巻
第9巻「碧雲の巻」は、信長亡き後、大きく揺れ動く天下の趨勢を描きます。


徳川家康(9)

信長の後継者として、一気に頭角を現したのが羽柴秀吉でした。
秀吉は、天正10年6月13日に山崎の戦いで明智光秀を討つと、同6月27日の織田家重臣の清州会議に臨みます。

まさに疾風迅雷…。しかもその間「寸暇のゆるみなく、打つべき石を着々と打ちながら」清州に入りました。
本巻の見どころの一つは、この清須会議における秀吉の立ち回りです。信長とともに嫡男信忠も失った織田家…その家督を継ぐべきは、次男の信雄か、三男の信孝か。

重臣らの思惑が錯綜するなか、秀吉はのうのうと、故・信忠の嫡子である幼い三法師の名を出し、こう言ってのけたのです。

「まだ三歳とはいえ、すでに嫡子がおわす以上、われわれ宿老どもが、亡君のご決定にあれこれ口をさしはさむ筋合いではあるまい。したがって、本日の談合はご家督を決める談合ではなく、この三法師君を頂いてどのように後の仕置をつけてゆくかの談合でなければならぬ」

さらに、この正論を柴田勝家らが承服せざるをえなくなると、会議の最後に重臣らが集められます。
三法師に対して重臣らが忠誠を誓う…はずが、なんと勝家らの前に現れたのは、三法師を胸に抱く秀吉でした…。

すでに秀吉は、清州に入る前に岐阜に立ち寄り、三法師をなつかせていたのです。さすが知略のひと、秀吉…。
一杯食わされた形の柴田勝家は、「なにかひどく滑稽で、ひどく悲しい夢をみているような気持」で平伏せざるをえませんでした。

■賤ケ岳の戦い

織田家家督問題では、三法師を担ぐことで収束した家臣団ですが、それは一時しのぎでしかありませんでした。
特に、無骨で昔気質の柴田勝家と、新進気鋭で知略を巡らす羽柴秀吉が相容れるはずもなく…。ついに対決のときが訪れます。

両雄の対立は織田家臣団を二分する戦いに発展、「賤ケ岳の戦い」(しずがたけのたたかい)が勃発しました。
開戦は清須会議の翌年、天正11年4月…。ほんと束の間の平穏でした。この戦いが本巻のもう一つのクライマックスです。

合戦の経緯も、清須会議そのまま秀吉の知略が冴えわたり、戦う前から勝家陣営が切り崩されていきます。
最後は、信頼していた前田利家までが秀吉陣営に寝返ると、勝家は北ノ庄城に退却。そこで自害、生涯を終えました


(お市の方像/写真ACより)

こうした戦いの経緯も見どころですが、その影に悲運の女性がいたことも忘れてはいけません。
お市の方…。織田信長の妹で、美貌と知性で知られる女性です。はじめ浅井長政のもとに嫁ぎましたが、長政が信長と敵対して戦死。その後、柴田勝家のもとに再嫁していました。

勝家は、妻・お市に城を逃れることを命じます。しかしお市は従いませんでした。長政との間にもうけた娘3人だけ逃して、自らは城に戻ります。

「お許しなされて下さりませ。わらわは柴田修理(勝家)が妻でこの世を終わりとうござりまする」

そして迎える最期は、なんとも切なく胸につまるものでした。
なお、勝家を攻めたのも秀吉、先夫・長政を攻め滅ぼしたのも秀吉、そして後に自身の娘(茶々)を側室とするのも秀吉。なんとも不思議なお市と秀吉の因縁です…。

その秀吉は、賤ケ岳の戦いで、ついに名実ともに信長の後継者の座を確たるものとしました。
そして天下人への道を歩み始めたのです。果たして、家康の運命はいかに?それはまた、当プログで綴りたいと思います。

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