こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、江戸の起源は?町人の生活は?お仕事は?歴史人「江戸の暮らし大全」です。
「夢中図書館 読書館」は、小説や雑誌などの感想や読みどころを綴る読書ブログです。あなたのお気に入りの一冊を見つけてみませんか?
■歴史人
いつも歴史ファンにたまらない情報を届けてくれる「歴史人」。
2023年8月号でとりあげるのは、「どうする家康」で注目の徳川家康が開いた江戸時代。
八百八町の成り立ちから町人の仕事、生活、金銭事情まで、江戸の暮らしがまるわかり!
保存版特集「江戸の暮らし大全」です。
天下泰平の世と言われた江戸時代、江戸の都は人口が100万人を超え世界有数の都市となりました。
そこには、武士だけでなく、様々な仕事に従事する活気に満ちた町人たちもいました。
江戸の町人たちは、ファッション、美容、食、エンタメなど、多種多彩な江戸の文化を花開かせました。
歴史人は、そんな町人たちの仕事や暮らしにスポットライトを当てます。
特集「江戸の暮らし大全」!江戸の暮らしは?江戸のお仕事は?
今日は「歴史人」の誌面から、江戸の庶民の暮らしや仕事を見ていきましょう。
■江戸の起源
まずは、後に大都市となる江戸の起源をひもときましょう。
江戸(えど)。その名前の由来を気にしたことはありますか?
江戸の「江」は海が陸地に入り込んだ入り江のことで、また「戸」は入り口のことです。
つまり「江戸」という地名は「入り江の入口」を意味します。
かつての江戸は文字通り、入り江の入り口が多く存在していました。
何しろ、今は都心の新橋や日比谷・霞が関辺りもかつては入り江…。「日比谷入り江」と呼ばれる海でした。
この埋め立て工事をはじめ江戸の町づくりを進めたのが、江戸開府の祖・徳川家康でした。
家康は天正18年(1590)に江戸に入府すると、江戸城の建設や入り江の埋め立てなど一大都市の建設に着手します。
家康が将軍の座に就いた後は、諸大名に動員令が下され、天下普請により大江戸造成の事業がはじまります。
江戸城の造営のほか、入り江や海岸の埋め立てが進み、江戸に新たな町がつくられていきました。
まさに国家プロジェクトとして進められた江戸の町づくり…。それは後に世界に誇る大都市「東京」につながるのです。
こうして見ると、徳川家康の功績ってものすごいですね…。戦国の世を終わらせただけでなく、後の東京に繋がる「江戸」を隆盛させました。
■江戸のお仕事
そんな隆盛をほこった江戸は、家康開幕から100年経った18世紀初頭に、世界にもまれな人口100万都市となります。
もちろん武士も多くいましたが、その過半はさまざまな仕事に営む町人たちでした。
どんな仕事があったんでしょう?そんな疑問に答えるのが「江戸のお仕事大百科」という頁です。
そこに掲載されている職業は、江戸の商業を支えた大店、なんでも手に入る小売店、技が光る職人たち、江戸にもあったデリバリーサービスにリサイクル業…。
どれもこれも大変興味深いのですが、特に個人的に興味を引かれたのは、江戸を大火から守った「町火消」の仕事です。
100万人が密集して住んだ江戸の町は、木造家屋が建ち並ぶ構造が仇となり火事が頻発しました。
江戸の町を火事から守るため、町人たちの防災団として誕生したのが「町火消」です。
この町火消の組織化を進めたのが、かの大岡越前。享保3年(1718)に「町火消設置令」を発出しています。
「いろは」48組と本所・深川16組が結成され、総人口は1万359人だったとか。膨大な火消集団ですね…。
それほど火事が多かったのでしょう。町火消のほかにも、大名家が組織した私設消防隊「大名火消」や、旗本で組織した「定火消」などもいます。
この辺りは、今村翔吾さんの小説「羽州ぼろ鳶組」シリーズ読者には馴染みのワードですね。
さらに誌面には、小説にも登場する纏や半纏、龍吐水などの写真も掲載されているのでファンにはたまりません。
当時の消火活動の流れも掲載されているのですが、驚くべきは水をかけて火を消すものではなかったということ。
消火活動はもっぱら延焼を食い止めるために、燃えている家の風下の家を破壊して、ある範囲以上に燃え移らせない作業をするのが主でした。
だから風読みも重要、纏持ちが火元を指し示すのも重要、組頭の判断もきわめて重要になります。
まさに、松永源吾ら「ぼろ鳶組」が火消しに奔走する姿が思い浮かびます。彼ら火消したちの命がけの行動が江戸の町を守ったんですね。
他にも誌面には、江戸の暮らしや多彩な仕事が紹介されています。
いち早く2025年大河ドラマでとり上げられる町人・蔦屋重三郎の生涯も。全然知らない人でしたが、結構破天荒な生涯を送ったひとでした。
徳川家康が拓いた江戸の町…。ただ、その町に暮らしその町を支えたのが、名もなき町人たちであることを、本特集から教えられました。
ありがとう、歴史人! ありがとう、特集「江戸の暮らし大全」!