徳川家康(21)春雷遠雷の巻!泰平の布石を打つ家康、なるか徳川と豊臣の和合…お江も動く

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館長のふゆきです。

今日の夢中は、徳川家康(21)春雷遠雷の巻!泰平の布石を打つ家康、なるか徳川と豊臣の和合…お江も動く…です。
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■あらすじ

江戸に幕府を開いて天下泰平の向けて歩みを進める徳川家康
征夷大将軍の座を息子・秀忠に譲り、自らは大御所として駿府に移り政治を担いました。

この時期、家康を悩ました問題の一つは外交問題でした。
南蛮人(ポルトガル・スペイン)と紅毛人(イギリス・オランダ)が相次いで来航、競い合うように日本との交易を望みました。家康はどちらにも肩入れすることなく交易拡大を図りますが…。

国内に目を向けても、家康にとって気の休まらない状況は続きます。
最大の懸案は、大坂城にある豊臣秀吉の遺児・秀頼とその一族の扱いでした。天下の実権は徳川に移っても影響力は絶大…。

秀吉の残した金銀も豊富、何より鉄壁の大坂城がありました。大坂が蜂起するようなことがあってはならない…。
家康は、徳川と豊臣の和合のために秀頼との会見を望みますが…。果して両者の会見は実現するのか?そして家康の望む真の天下泰平は訪れるのか…。

■泰平の布石

時代小説史に残る名著、山岡荘八「徳川家康」全26巻
第21巻「春雷遠雷の巻」では、大御所として駿府に移った家康と、それを取り巻く様々な人物の動きが描かれます。

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将軍の座を息子・秀忠に譲り駿府に隠居しても、家康はやはり政治の実権を握りつづけました。
泰平の世を盤石のものとするために、やるべきことが山積だったのでしょう。外交や経済、人事に至るまで細かな配慮をする様が物語に描かれます。

たとえば「人生仕上げ」と冠された章では、家康は側近の安藤直次と成瀬正成を呼び、幼少のわが子に附いてくれと懇願します。
それは、泰平のために幼いわが子を大名に配置するものの、その賢愚や力は未知数…。直次と正成を側に置くことで治政者に相応しい人物に扶育しようという思いからでした。

それは「家康の子」という一私人であると同時に、封建制の世にきびしい規律を奉じて生きねばならぬ公人であるからだった。

結果として、直次が家老として付いた長福丸はやがて紀州徳川家の祖・頼宜に、正成が付いた五郎太は尾張徳川家の祖・義直に成長していくことになります。
こうした家康の先を読む力というか、泰平にかける意志というものは、尋常ならざるものに見えます。英雄というのはこうなんでしょうね…。

■三姉妹

そんな家康の最大の懸念事は、大坂城にある豊臣秀頼とその一族でした。
その影響力はなお健在、金銀も豊富で鉄壁の大坂城もあり、ややもすると戦乱の火だねになりかねません。

天下泰平のためには、徳川と豊臣の和合は必須…。家康は、一度は頓挫した秀頼との面談に向けて動き出します。
この家康の意を受けて動いたのは、秀忠の妻・お江の方でした。お江は、秀頼の母・淀殿の妹…。しかも娘・千姫を秀頼に嫁がせていました。

これは、豊家のためにも、秀頼君や千姫殿のためにも大切なこと…思案が無いでは、わらわが嫁として大御所さまにすみませぬ

そうして思案を巡らせると、もう一人の姉妹・常高院と力をあわせたら淀殿の心を解けるのではないかと思い至ります。
淀殿と常高院、お江の方は、小谷落城の折から何度か共に戦火をくぐって生き残った三姉妹…。お江はさっそく使いの者を走らせたのでした。

(浅井三姉妹の像/北ノ庄城址)

さすがは、大河ドラマの主人公にもなったお江の方…。徳川と豊臣の溝を埋めるために、自らが主体的に動く姿が描かれます。
ちなみに常高院は、今村翔吾さんの直木賞受賞作「塞王の楯」で夫・京極高次を支える魅力的な女性として描かれていました。

そうして迎える大坂城での常高院と淀殿の会談が本巻のハイライト。お江は大坂に入ることはできませんでしたが、思いは常高院が携えています。
時を超えた三姉妹の邂逅に、淀殿も動かないわけはありませんでした。そして、ついに家康と秀頼の会見にむけて準備が進められることになるのです。
果して、両者の会見は実現するのか?天下泰平の行方は?続きは、また当ブログ「夢中図書館 読書館」で綴ってまいります。

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