こんにちは。夢中図書館へようこそ！
館長のふゆきです。
今日の夢中は、"理想の上司"松永源吾が走る！闘う！吼える！羽州ぼろ鳶組「九紋龍」…。
今村翔吾さんが描く人気シリーズ「羽州ぼろ鳶組」シリーズ3作目「九紋龍」（くもんりゅう）を取り上げます。
「夢中図書館 読書館」は、小説や雑誌などの感想や読みどころを綴る読書ブログです。あなたもお気に入りの一冊を見つけてみませんか？
■羽州ぼろ鳶組
直木賞作家・今村翔吾さんが描く江戸の火消たちを主人公にした時代小説「羽州ぼろ鳶組」シリーズ。
これまで1作目「火喰鳥」、2作目「夜哭鳥」と相次いで読破し、すっかりこの作品の虜になっています。
「火消」に焦点を当てた新鮮なストーリー展開はもちろん、主人公・松永源吾をはじめとする登場人物たちの躍動ぶりがこの作品の魅力。
シリーズ3作目「九紋龍」にも、とんでもない男が登場します。
それが、「九紋龍」こと、最強の町火消・辰一。
こいつの腕っぷしと暴れっぷりが半端ありません。なんてったって、物語序盤で、源吾ら「ぼろ鳶組」が散々にやられちゃうんだから…。
ただ、もちろん、やられっぱなしじゃぁ、男がすたるよね。
「子供のまま大きくなった男たち。それを火消と呼んでもさして障りはなかろう。」
小説の中でそんな風に評される火消たちが、黙っているわけがありません。
「羽州ぼろ鳶組」シリーズ第3弾「九紋龍」、まずはあらすじから。
■あらすじ
最強の町火消・辰一。彼が率いる「に組」が火事の現場に乱入、野次馬を次々と捕らえるという暴挙に出ます。
止めようとした松永源吾らぼろ鳶組は、辰一に散々な目に遭わされて…。
同じ頃、凶悪な盗賊団・千羽一家が江戸にやって来ます。
彼らの手口は火事を起こして、その隙にその家の者を皆殺しして盗みを働くというもの。
江戸の町で火付けは許さない…。源吾は千羽一家を止めるべく奔走します。
しかし、新しく新庄から江戸に来た藩主の従兄・戸沢正親は、火消の削減を宣言し行く手を阻みます。
八方ふさがりのなか、千羽一家が再び江戸の町を襲います。
果たして、源吾らぼろ鳶組は、その凶行を防ぐことができるのか…。
■内外の強敵
今回も、ぼろ鳶組の前に難敵が現れます。それも新庄藩の外と内にそれぞれ厄介な輩が…。
外には、「九紋龍」こと最強の町火消・辰一。そして内には、藩主の従兄にして火消の削減を指示する戸沢正親…。
この2人が、本作の鍵を握る重要な登場人物です。
性格は正反対。「動」の辰一に対して、「静」の正親。ですが、いずれも一筋縄ではいかない強敵です。
しかも、そのいずれもが胸の中にある秘密を持っているのです…。
物語の終盤に源吾がこの2人と対峙する場面は、この物語の最大のクライマックスです。
「任せちまって悪いな。俺は、あの日の俺を救いに行く！」
相変わらず源吾の言葉がカッコイイ。源吾が仲間を思いやる気持ちは無限大、なんど心を震わされたことか…。間違いなく、理想の上司ナンバーワンです。
もう一つ、本作の見どころは、源吾の妻・深雪の大立ち回りがあること。
勘定奉行と恐れられる（？）深雪がどんな活躍を見せるのか、それは読んでからのお楽しみ。
羽州ぼろ鳶組シリーズ3作目「九紋龍」。
前2作以上の暴れっぷり、これまで以上の躍動感で、源吾ら江戸の火消たちが駆け回ります。
それは、過去のある事件と羽州・新庄藩も巻き込んで、強く熱く思いが迸るのですが…。
がんばれ、源吾！ 負けるな、ぼろ鳶組！
【おまけの話し】
今村翔吾さんが全国各地をめぐる「まつり旅」。ついに、ぼろ鳶組ゆかりの山形新庄へ…。
なんと、「九紋龍 辰一」が今村翔吾さんをお出迎えです。胸アツ…。