こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、小林まことさんの代表作「1・2の三四郎」です。
■1・2の三四郎
ラグビーワールドカップ2019がフィナーレを迎えました。
「4年に一度じゃない。一生に一度だ」。その言葉どおりの熱戦が相次ぎ、列島が大いに沸きましたね。
そんなラグビーの試合を見て、ふと思い出した漫画があります。
それが今日紹介する「1・2の三四郎」。小林まことさんの出世作です。
この作品は、「週刊少年マガジン」に1978年から1983年まで連載されていました。
なんと40年前になるのかぁ…。当時、マガジンで読んで、コミックまで買い集めた、大好きな作品です。
ジャンルは、スポーツ・バラエティとでも言うのでしょうか。
主人公の三四郎が、ラグビー、柔道、プロレスと様々なスポーツに挑戦し奮闘する姿を描きます。
物語の最初で描かれるのがラグビーです。
ラグビー漫画ってあまりないですよね。そんな目新しさもあって、毎回楽しみに読んでました。
思えばこのとき、館長ふゆきはいち早く「にわかラグビーファン」になっていたのでしょうね。
…ということで、今日は40年前のこの漫画をとり上げましょう。
小林まことさんの「1・2の三四郎」。前半の「ラグビー編」を紹介します。
■あらすじ
天竜学園高校に通う東三四郎。
強豪ラグビー部の中心選手でしたが、練習中に起きた負傷事故の濡れ衣をかぶって退部します。
ライバルであり親友でもあったラグビー部のキャプテン飛鳥純とは、大きな溝が残ったまま。
負傷事故が三四郎の仕業と思い込み、何かにつけて三四郎に厳しく当たります。
そんな天竜学園に転校してきたのが、北条志乃。
転校初日に三四郎と路上でぶつかるという派手な出会いをした彼女が、三四郎属する格闘部に舞い込んできたことから、事態は急転。
校内が完全に飛鳥びいきの状況にキレた志乃は、敢然とラグビー部に喧嘩を売ります。
これがきっかけとなって、ついに三四郎対飛鳥の対決が実現することになります。
ときは20日後。クラブ祭で格闘部対ラグビー部の特別試合が行われることに…。
部員集めに奔走する三四郎ら格闘部は、強豪ラグビー部に勝つことができるのか。
そして三四郎は汚名を晴らすことができるのか。はたまた三四郎と志乃との関係は…?
■読みどころ
ラグビー編はコミックスで言うと、1巻から4巻まで。
本作は全20巻なので、それほど多くのボリュームを占めるわけではありません。
ただ、それでも強く印象に残るのは、このラグビー編が後のストーリーにつながっていくから。
三四郎以外のキャラクターも個性派ぞろいで、魅力たっぷりです。
三四郎の無二の悪友、馬之助と虎吉。
馬之助はレスリングでインターハイに出場するほどの実力者ですが、なぜか三四郎のいる格闘部に合流してきます。
同じく虎吉も美術部で非凡な才能を発揮していましたが、退部して格闘部にやってきます。
毎日喧嘩を繰り返す3人。実は、3人には深い絆があるのですが…。
そんな三四郎たちのドタバタと影の努力を見守るのが、ヒロインの北条志乃。
物語のストーリーテラー的な存在。容姿端麗、頭脳明晰にして、天真爛漫。子供のような大泣きと三四郎も驚く大飯食らいなどで周囲をあっと言わせます。
三四郎たちのドタバタや志乃の天然ボケなど、本編はギャグが満載。
言い忘れましたが、決して真面目なスポーツ漫画を想像してはいけません。むしろ笑いのほうが多いです。
この辺は、後に「ホワッツマイケル」で人気を博する小林まことさんのオハコ。ツボにハマるシーンがいくつもあります。
ただ、やっぱり最大の見どころは、三四郎対飛鳥のラグビー特別試合。
クライマックスは三四郎と飛鳥の一騎打ち。ここは笑いの一切ない、汗と涙の青春の1ページ。
果たして、試合の行方はいかに…。そして、三四郎と飛鳥の確執は解けるのか…。
いやぁ、今読んでも面白い。
にわかラグビー・ファンにもおススメ、やっぱりラグビーっていいよなぁって思える漫画です。
ありがとう、1・2の三四郎! ありがとう、小林まことさん!