こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、小林まことさんの出世作「1・2の三四郎」、その柔道編です。
■1・2の三四郎
「1・2の三四郎」。
「ホワッツ・マイケル」などで人気の漫画家、小林まことさんの出世作です。
この作品は「週刊少年マガジン」に1978年から1983年まで連載されていました。
ジャンルは、スポーツ・バラエティとでも言うのでしょうか。
主人公の三四郎が、ラグビー、柔道、プロレスと様々なスポーツに挑戦し奮闘する姿を描きます。
物語の最初で描かれるのがラグビー編は、当夢中図書館で紹介しました。
ラグビー編の次に描かれるのが、柔道編です。
コミックスでは、4巻後半から9巻まで。
因縁のラグビー部との決戦の後、部への復帰を蹴って、三四郎が挑むのが柔道です。
格闘部の馬之助と虎吉らと一緒に、相変わらずのハチャメチャで柔道に挑むのですが…。
今日は、傑作漫画「1・2の三四郎」の中盤のクライマックス、「柔道編」を紹介します。
■あらすじ
因縁のラグビー部との決戦を終えて、三四郎は格闘部の仲間と柔道に挑みます。
はじめは柔道をなめていた三四郎達ですが、ライバル校への出稽古で自らの甘さを痛感します。
そこから態度を一新。血のにじむような練習を経て、強豪ひしめく地区大会を迎えます。
三四郎たちに立ちはだかるのは、はじめての試合で敗れた藤見高校、前年度優勝の明新高校、超高校級の柳率いる黒崎高校。
さらに、ヒロイン志乃の初恋の相手・亜星や、三四郎の行方不明の父が登場して…。
三四郎は強豪たちを倒すことができるのか?インターハイ出場の夢はかなうのか?そして志乃と三四郎の恋の行方は…?
■「こっちだって青春してんだ!」
久しぶりに柔道編を読みましたが、手に汗握るシーンの連続。メチャクチャ興奮します。
もちろん、小林まことさんの持ち味、笑いもあります。
この柔道編では、三四郎だけでなく、馬之助や虎吉、参豪ら、仲間たちの個性が際立ちます。
意外な魅力を見せるのが岩清水。普段は影の薄い岩清水ですが、随所に存在感を発揮します。
と言っても、ほぼルール違反の反則技…。これが笑えます。負けず嫌いなんですね(笑)。
ただ、やっぱりテンションが上がるのは、強豪校との真剣勝負。
特に、地区大会準決勝の明新高校戦は、シリーズ最大の盛り上がりを見せます。
三四郎が立ち向かうのは、明新高校の先鋒・小島。
スパルタ指導のもと正確無比な技を繰り出す小島に対して、三四郎は追い詰められます。
「技あり」をとられて絶体絶命のなか、三四郎は天性の運動神経で小島の猛攻をかわします。
残り時間20秒。小島が三四郎を畳に叩きつけようとしたそのとき…。
そもそも作者の小林まことさんは高校のときに柔道部に所属していました。
だから、練習シーンも迫力十分。大会まで時間のないなか、三四郎らは「ハラバイ」や「エビ」「逆エビ」などの基礎練習を血みどろに繰り返し、前代未聞の猛特訓を重ねます。
超高校級・柳との決戦では、柳の必殺技がさく裂しようとするとき、その壮絶な練習が三四郎を奮起させます。
柳が叫びます。「柔道をなめるな。俺の青春だ!」。
三四郎が返します。「こっちだって青春してんだ!」。
試合の行方はいかに?果たして三四郎は地区大会を勝ち上がることができるのか?
スポーツ漫画が好きな人もそうでない人も楽しめる作品になっています。
そうそう、三四郎と志乃の関係もちょっと進展したりして…。
ありがとう、1・2の三四郎! がんばれ、格闘部!