こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、青春出し切りラグビー漫画「ALL OUT!!」 胸アツの名言&名シーンはこれだ!です。
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■あらすじ
神奈川高校(通称「ジンコー」)、入学式初日。
体は小さいながら負けん気の強い祇園(ぎおん)は、はじめて見たラグビーに引かれ、入部を決意します。
一方で、身長190㎝と恵まれた体格ながら、臆病な性格の同級生・石清水(いわしみず)。
そんな彼をラグビー部に勧誘する、中学時代の先輩、副キャプテン・八王子。
さらには、圧倒的な闘争心でラグビーに打ち込む、キャプテン・赤山(せきざん)。
体格も性格も異なるメンバーが、すべての力を出し切って(オールアウト)、花園を目指します。
熾烈な練習を重ねて迎える神奈川予選、立ちはだかるライバルたち。果たしてジンコーの夢はかなうのか…。
■ALL OUT!!
タイトルの「ALL OUT」(オールアウト)とは、すべてを出し切ること。
弱小ラグビー部が花園をめざし、メンバー1人1人が持てる力を全部出し切って、強豪に挑みます。
この「ALL OUT」を絵に描いたように体現しているのが、主人公の祇園。
159㎝と小柄ながら負けん気は人一倍。ラグビー初心者ながら日々、猛練習を重ねて成長していきます。
その相棒となるのが、身長190㎝の石清水。
彼はラグビー経験がありながら、過去のある出来事がトラウマとなって入部を拒否します。
そんな彼も祇園の「ALL OUT」な姿勢に感化されて、もう一度ラグビーに全てを出し切ることを決意します。
物語は、この2人を中心に進んでいくのですが、そこはラグビーを題材とする漫画、数多くのキャラクターが登場します。
チームメイトはもちろん対戦相手まで、登場人物一人一人が個性とドラマを持って躍動。
完全な脇役と思ってたキャラまでいつの間にか輝いてるんですよね。チーム全員が主役、これぞワンチーム。
■名言&名シーン
そんな青春出し切りのラグビー漫画「ALL OUT!!」。
名場面が数多くありますが、その中から、個人的にガツンと来た、胸アツの名言&名シーンを紹介します。
※ネタバレになる記述がありますので、ご留意ください。
「あそこにはエースストライカーも4番バッターもいない」
第1巻の第1話。ラグビー部の見学に訪れた際、石清水が祇園にかけた言葉です。
「あそこにはエースストライカーも4番バッターもいない。ボールを持っている奴が主役なんだ」。
この一言で、身体が小さいことがトラウマとなって尻込みしていた祇園は、入部を決意します。
いい言葉ですよね、これ。祇園の視線の先には、生き生きと躍動するラガーたち…。ここから熱いドラマが始まりました。
「お前のポジションはウイングじゃない。"祇園"だ」
ライバル・慶常高校との練習試合。はじめて試合に投入された祇園は、さっそく相手FWにタックルをかまします。
それを見たキャプテン赤山が声をかけます。細かいことは気にするな、どんどんタックルに行け。そして名言「お前のポジションはウイングじゃない。"祇園"だ」。
祇園の果敢なタックルは、押されていた味方に力を与えます。ポジション「祇園」。さらなる活躍を予感させる一言でした。
「毎日をオールアウトする覚悟があるなら…」
元日本代表のコーチ・籠(こもり)が、ハードな練習を続けるメンバーたちにかけた言葉です。
ここではじめて「オールアウト」の意味が明かされます。それは「すべてを出し切る」こと。
「お前らには体力も技術もない。だがもし、毎日をオールアウトする覚悟があるなら…。その気持ちが日本一あるなら、お前らは花園にも行ける」。
名将の愛のこもった檄(げき)。それはジンコー・ラグビー部をもう一段強くさせていきます。
「センスがあるかないかなんて、進むのが早いか遅いかの違いさ」
これもいい言葉ですよね。後に日本一となるライバル・嶺蔭学園の霧島国人の言葉です。
祇園は、神奈川ナンバーワン・フランカー霧島関人(国人の双子の兄)に挑みますが、「センスがない」と一蹴されます。
しかし、国人は何度はじき返されても挫けない祇園を見て、関人とそっくりだと笑いとばします。そして、この言葉でエールを送りました。
「センスがあるかないかなんて、進むのが早いか遅いかの違いさ」。がんばれ、祇園!
「ぜっってえっっ勝つ!!」
花園に向けた県大会初戦。祇園は後半から出場します。
相手チームにトライを奪われた後、キャプテン赤山が叫びました。「ぜっってえっっ勝つ!!」。
その気魄の乗り移った石清水が相手キックをチャージ、こぼれたボールを祇園が必死のセーブ。
石清水と祇園の連係プレーが試合を決めるトライにつなっがっていきます。ジンコーのワンチームを感じる名シーンです。
「1回や2回のミスは気にすんなよ」
県予選の鎌倉学院との一戦。因縁の相手・奥の挑発により我を失う石清水。
凡ミスを連発し、グラウンドで悔し涙を流します。そんな彼を救ったのが祇園でした。
「1回や2回のミスは気にすんなよ。このチームで一番ボールを落っことしてんのは、俺なんだしよ!」。
その言葉で石清水は力を取り戻します。君は何度僕を立ち上がらせてくれるのか…。それは感動のラストパスにつながっていくのです…。
他にも名シーン、名言がいっぱいです。
ラグビーの面白さとワンチームの力強さが散りばめられた名作「ALL OUT!!」。おススメです。
ありがとう、「ALL OUT!!」! ありがとう、祇園、石清水、そして熱きラガーたち!