こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、毎年この時期恒例となっている日経MJ「2021年ヒット商品番付」です。
■ヒット商品番付
2021年も残りわずか。今年も、この時期恒例のランキングが発表されました。
日経MJがお届けする「2021年ヒット商品番付」。
東西の横綱から三役、前頭14枚目まで、殊勲賞など各賞を含めると40のラインナップとなっています。
東西横綱と三役は次の通り。
横綱(東):Z世代
横綱(西):大谷翔平
大関(東):東京五輪・パラリンピック
大関(西):サステナブル商品
関脇(東):シン・エヴァンゲリオン劇場版
関脇(西):イカゲーム
小結(東):ゴルフ
小結(西):冷凍エコノミー
2021年は、生活様式が大きく変わる中で、新時代を切り拓くヒット商品が生まれました。
サステナビリティー(持続可能性)とデジタル、投手と打者…。常識を塗り替える二刀流で未来に挑む若者がトレンドを牽引しました。
巣ごもりを楽しく。広がるサステナ消費。リアルとネットの融合…。
デジタルネイティブで、自分らしさを消費に求める新世代の価値観が、商品やサービスに変革を促しています。
昔は良かった…なんて、懐古主義に耽っている場合じゃありません。
新しい未来は着実にやって来ています。今日は、そんな新しい未来につながる「2021年ヒット商品番付」を見ていきましょう。
■Zの消費スタイル
「東の横綱」に輝いたのは、「Z世代」。
1990年代半ば以降に生まれたデジタルネイティブ世代を指す言葉です。
このZ世代の若者は、デジタルとサステイナブルの二刀流。
子供の頃からスマホやSNSが身近にあってデジタルネイティブであると同時に、環境問題や社会課題に強い関心を持つSDGsネイティブでもあるのです。
特に、サステナビリティーへの高い関心は、新しい時代の消費トレンドを生み出しています。
「西の大関」に番付けされた「サステナブル商品」。
脱プラスチック製品や食品ロス削減など、様々な手法で環境にやさしい消費スタイルが広がっています。
また、デジタルとリアルの融合も進んでいます。
「西の前頭4枚目」に番付けされている「売らないお店」は、リアルの店舗とネット通販を融合した小売店。
店内には新進ブランドの商品が陳列されていますが、商品を買って帰りません。なぜなら在庫を置いていないから。
来店客は店内にあるQRコードを読み取り、ECサイトで購入します。なんとも新しい買い物スタイルです…。
大丸東京「明日見世」や米シリコンバレーからやって来た「b8ta」(ベータ)などが人気を集めています。
■巣ごもりを良き日に
一方、巣ごもりも2年目となると、巣ごもり生活を楽しもうという新しい消費も生まれてきています。
「西の小結」に番付けされている「冷凍エコノミー」は、コロナ下で急伸の家庭用冷凍食品から波及する経済圏を指したもの。
今や家庭用冷食は業務用を超える規模となり、日々の食事に冷食が並ぶライフスタイルが定着しようとしています。
家電量販店では、冷凍庫の売上が好調。「セカンド冷凍庫」なる小さめのモデルも登場しています。
ギョーザやラーメンなど様々な種類の冷食自販機も登場。博多駅には冷凍もつ鍋やめんたいこの自販機が登場するなど、その動きは全国に広がっています。
自宅で飲酒を楽しむ「家飲み」需要に合致してヒットしたのが、「スーパードライ 生ジョッキ缶」(アサヒビール)。
飲酒店の生ビールのような泡立ちを楽しめる缶ビール。一時品薄になるほど人気を集めました。「西の前頭3枚目」に番付けされています。
一方で、飲酒量の増加や運動不足の懸念から、あえてノンアルコール飲料を選ぶ人も増えています。
レモンサワー風やハイボール風、ワイン風などの多様なノンアルコール商品が登場、好調な売上をあげています。こちらは「東の前頭7枚目」に番付けされました。
■2021年のヒーローたち
巣ごもり2年目を明るく盛り上げたヒーローたちがいました。
「西の横綱」に番付けされている「大谷翔平」。投打の二刀流で日米を沸かせました。
野球の常識を打ち破る活躍で、大リーグのア・リーグでMVP(最優秀選手)を受賞。
その人柄もたくさんの人を惹き付けました。今後の経済効果にも期待が高まります。
東の大関「東京五輪・パラリンピック」でも、野球が日本列島を沸かせました。
日本が悲願の金メダルを獲得。無観客開催という前例のない五輪のなかで、自宅観戦者の気持ちを熱く盛り上げました。
この大会では、スケートボードなどで10代の活躍が目立ちました。彼らの明るさに元気をもらった人も多いはず。スポーツもZ世代の時代なのかも…。
そうした選手たちの活躍は経済にもプラスに働きました。テレビ購入やデリバリー需要が大きく増加しました。
他にも、東の関脇「シン・エヴァンゲリオン劇場版」や西の関脇「イカゲーム」など、映画や配信コンテンツで大ヒット作品が生まれました。
「イカゲーム」は、ネットフリックス配信の韓国発ドラマ。賞金のために生死を賭けるゲームを通じて格差社会を風刺。世界的な話題となりました。
まだまだ、2021年を盛り上げたヒット商品はたくさんあります。
振り返ってみると、コロナで振り回されながらも、未来に向けた新しい消費スタイルが生まれていました。
暮らしも働き方も大きく変わっているときだからこそ、明るい未来につながる新しいトレンドを応援していきたいですね。
そして、2022年もたくさんのヒーローが生まれますように…。
ありがとう、日経MJ! ありがとう、「2021年ヒット商品番付」!