家康はなぜ勝利し、三成は負けたのか?「歴史人」関ヶ原合戦の真実

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こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

今日の夢中は、「歴史人」2019年10月号「関ヶ原合戦の真実」です。

■歴史人

いつも歴史ファンにたまらない情報を届けてくれる雑誌「歴史人」
2019年10月号の特集は、「関ヶ原合戦の真実」
「秀吉の死から合戦の結末まで。天下分け目の戦いは、なぜ起こったのか?」という言葉が付されています。


歴史人2019年10月号

日本の武将たちが東西に分かれて戦った「天下分け目の戦い」
総動員兵力約15万と言われる日本史上最大級の大戦は、実は、わずか1日足らずで決着が着きました。

本誌では、その運命の戦いを、「関ヶ原合戦ドキュメント」として詳細に再現しています。
井伊直政の抜け駆けから、小早川秀秋の裏切りまで、刻々と移り変わる戦況は、まるで壮大なドラマを見ているようです。

さらに決戦に至る前日譚も興味深い…。本誌曰く「秀吉の死にはじまる三成の義と家康の暗躍」
「暗躍」なんて言いっ切っちゃうところが潔い!石田三成と徳川家康の確執から、各武将の葛藤までを克明に分析。天下分け目の戦いがなぜ起こったのかを、今に残る史料をもとにひも解いています。

相変わらず面白いな、歴史人。世の通説に流されないのも、専門誌としての気概を感じます。
そんな「歴史人」の特集の中から、今日は、特に個人的に興味を引かれた頁を紹介します。

■なぜ家康は勝利したのか

「関ヶ原合戦の真実」にふさわしく盛りだくさんな誌面の中から、特に引かれた頁はこちら。
「家康はなぜ勝利し、三成は負けたのか?」

家康率いる東軍の戦力は7万4000。一方、三成の西軍は8万4000と言われています。
陣形を見ても西軍が優位と言われる中、東軍が勝利を収めた要因は何か?

本誌が挙げる東軍の勝因の一つ目は、家康による政治工作です。
豊臣武断派の切り崩し、手紙による多数派工作…。家康の政治工作は、すでに決戦の2年前、秀吉の死後から始まっていました。

家康は、秀吉が世を去ると、その遺命に背いて加藤清正ら豊臣恩顧の武将との縁談を進めます。露骨な懐柔策ですね。
さらに合戦の直前になると、積極的な手紙戦略に打って出ます。なんと福島正則には14通、黒田長政と浅野幸長には9通…。
特に豊臣武断派を取り込もうとした意志は明らかですね。さすがは老獪な家康。

続いて挙げるのが、家康による調略です。
合戦のキーマン小早川秀秋への寝返り工作。さらには西軍主力・吉川広家らとの内通

これらの調略によって、家康は戦う前から勝利を手にしていたとも言えます。
面白いのは、その調略のフィクサーが黒田長政だったという見立て。
黒田長政は、秀吉の軍師・黒田官兵衛の嫡男ですね。彼が西軍武将との橋渡し役を担ったことで、調略はスムーズに進むことになります。
さすが血は争えない…。長政は合戦でも三成本陣を攻めるなど、大活躍しました。

■三成はどうして負けたのか

一方、三成の戦略は誤算にまみれました。
西軍は、兵力では東軍を上回ったものの、実態は1枚岩ではありませんでした。

小早川秀秋や吉川広家らが、寝返りあるいは不戦を決めたことで、兵力は大きく減少。
さらに、西軍の総帥にかつがれた毛利輝元は大阪城を動きませんでした。
仮に、輝元が大阪城の豊臣秀頼を担ぎ出して出兵していれば、東軍の豊臣恩顧の武将は弓を引けなかったはず…。
歴史の「if」は面白いですね。

さらに、三成の武将としての甘さもありました。
家康がなんと169通もの手紙や覚書を出して根回しを行ったのに対して、三成にそうした動きはほとんど認められていません。
真田家に三成との文書が残されていますが、そこには真田昌幸が「もっと早く知らせてくれ」と抗議した痕跡が残っています。
徳川秀忠の大軍を寡兵で翻弄した昌幸。彼がもっと早く三成麾下に入っていたら…。なんてのも面白い「if」ですね。

「家康はなぜ勝利し、三成は負けたのか?」
さまざまな要因を挙げている「歴史人」ですが、最後に指摘するのがこれ。
家康と三成の、「気魄」の違いです。

家康が何が何でも天下を取りたいと野望を剥き出しにしたのに対し、三成は正義をかかげて豊臣政権を守ろうとしました。
「攻め」の家康と、「守り」の三成
天下分け目の戦いにおいて、清濁は意味をなしません。何としてでも勝とうという気魄の差が戦局を左右したのかもしれませんね…。大いに共感したところです。

他にも、「武将たちの関ヶ原」では、運命をかけて戦に参じた武将たちに焦点を当て、その決断や戦いぶりをまとめています。
登場するのは、大谷吉継、島津義弘、島左近ら、歴史ファンにはたまらない武将たち。こちらも読み応え満点です。

いやぁ、「関ヶ原合戦の真実」、知ってたことも知らなかったことも盛り沢山。
この1冊を読むだけで、自らも戦国を駆け抜けたかのような臨場感と爽快感を味わえます。

ありがとう、歴史人! ありがとう、関ヶ原合戦の真実!

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