こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、高橋留美子さんの名作漫画「めぞん一刻」です。
■あらすじ
時計坂という町にある、おんぼろアパート「一刻館」。
ある日、ここに新しい管理人・音無響子がやって来ます。
5号室に住む浪人生の五代裕作は、美人の響子に一目惚れ。
しかし、彼女は若くして夫を失くした未亡人。心の中にはまだ愛する夫がいました…。
2人の関係をときに冷やかしときに盛り上げる、くせ者ぞろいの住人たち。
そして、恋のライバル・三鷹瞬も現れ、五代と恋の火花を散らします。
二転三転していく恋愛模様…。果たして五代と響子の恋の行方は?
■めぞん一刻
「めぞん一刻」。
ラブコメ漫画の金字塔と称される名作です。
作者は高橋留美子さん。「ビッグコミックスピリッツ」に1980年から1987年まで連載されました。
単行本は全15巻、さらにワイド版全10巻や文庫版全10巻も刊行されています。
高橋留美子さんは、同時期に「少年サンデー」で「うる星やつら」を連載。
その担当者が青年誌に転勤したことから声をかけられ、大人向けのラブコメ作品「めぞん一刻」が生まれました。
「めぞん一刻」の特徴は、高橋さんが得意とするSFファンタジー色を一切排していることでしょう。
町のどこかにありそうな「一刻館」という古びたアパートを舞台に、リアルの世界でもありそうなもどかしい男女のラブストーリーが展開されます。
とはいえ、高橋さんが同じく得意とするコメディ色は、この作品でも全開。
ラブストーリーのなかでも、個性的なキャラたちのドタバタはお約束。笑かしてくれます。
SFは無くとも、るーみっくわーるどは健在。このセンス、三谷幸喜さんと匹敵するよなぁ…。
同作品はTVアニメ化もされているほか、劇場版アニメも制作されています。
ちなみに、実写版映画も…。1986年公開、石原真理子さん主演でした。
■登場人物
この「めぞん一刻」の魅力の一つは、作品に登場する個性的なキャラクターたち。
物語を大いに盛り上げる登場人物たち。メインのキャラには名前に数字が入っています。
今日は、数字の順番に、そんな個性的な登場人物を紹介しましょう。
『0』音無響子
一刻館の管理人・音無響子。「無」=ゼロということで。
若くして未亡人となった響子。心の中にはまだ愛する夫が生きています。
美人でスタイル抜群。やきもち焼きでときに天然キャラを発揮。そんな彼女ですが、次第に五代に惹かれていくのです…。
『1』一の瀬花枝
一刻館1号室の住人・一の瀬花枝。
詮索好きで世話好きの典型的なおばさん。口が軽くて、それがトラブルの元になることも…。
夫と子供と同居。子供は賢太郎。夫はほとんど登場しませんでした。
同じく『1』惣一郎さん
響子の亡き夫の名前は惣一郎さん。こちらも「1」にゆかりがありますね。
響子の通っていた女子高の非常勤講師。響子が高校卒業後に結婚しますが、半年もたたない桜の季節に亡くなりました…。
なお、その名前は、響子の愛犬に引き継がれました。
『2』二階堂望
一刻館2号室の住人・二階堂望。
連載後半から登場する大学生。高級マンションに入居する予定が手違いで一刻館に。
珍しくマトモな住人と思いきや、その天然ぶりでドタバタを繰り広げました…。
『3』三鷹瞬
テニスクラブのコーチ・三鷹瞬。
容姿端麗、スポーツ万能、金持ちにして高学歴。当然、女性からモテる。
テニスクラブに入会した響子に猛アタック。五代の強力なライバルになりますが…。
『4』四谷さん
一刻館4号室の住人・四谷さん。下の名前は不明。
年齢、職業、経歴など一切不明。なぞの人物。
のぞきが趣味で、部屋の壁を破り、隣りの五代の私生活に何かと干渉します…。
『5』五代裕作
一刻館5号室の住人・五代裕作。
浪人生として上京し一刻館に入居。住人らに馴染めず転居を考えますが、響子に一目惚れして撤回。
その後も住人たちに振り回されながらも響子にアプローチを続けます。果たして恋の結末は…?
『6』六本木朱美
一刻館6号室の住人・六本木朱美。
スナック「茶々丸」勤務。セクシーな格好で一刻館の中を徘徊しています。
大酒飲みで姉御肌。五代と響子の仲を応援するも、泥酔してその恋路を邪魔することも…。
『7』七尾こずえ
五代のガールフレンド・七尾こずえ。
独特の無邪気さと積極さを併せ持つ不思議ガール。五代と結構長く付き合いました。
彼女の悪気ない行動に、五代の優柔不断さが手伝って、数々のエピソードを巻き起こします…。
『8』八神いぶき
女子高生・八神いぶき。
恋に恋する女子高生。五代が響子の母校に教育実習に行ったときに受け持ったクラスの委員長。
ある誤解から五代に恋に落ちます。勝気な性格で、響子をライバル視しますが…。
『9』九条明日菜
名家の令嬢・九条明日菜。
連載後半に登場。白百合女子大卒のお嬢様。6匹の犬を飼う愛犬家です。
おとなしく引っ込み思案ですが、芯は強い。恋する三鷹をずっと思い続けます…。
他にも多種多彩なキャラクターが登場。五代らとドタバタを繰り広げます。
ただ、そんな中でも、五代と響子は互いへの想いをはぐくんでいきます。
笑いあり、胸キュンあり、すれ違い多数、そして涙あり…。
最終回、亡夫・惣一郎さんの墓前で交わす2人の会話は感動的です。
ありがとう、めぞん一刻! ありがとう、高橋留美子さん!