根津と千晶はもちろん、魅力的な二人組たちがスキー場を疾走する。「逃げろ!」、組織に立ち向かえ!スキー場シリーズ3作目「雪煙チェイス」を読む。

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

今日の夢中は、東野圭吾「雪煙チェイス」(実業乃日本社)です。

■スキー場サスペンス第3弾

せっかくゆっくりできる正月三が日を利用して、気になっていた「雪煙チェイス」を手に取りました。

本作は、「白銀ジャック」、「疾風ロンド」に続くスキー場サスペンスの3作目。
折りしも、「疾風ロンド」が阿部寛主演で映画化されて、絶賛上映中!旬な小説ですね。

さて、読後の感想ですが、一言で表すならば、爽快!…だけど軽い、かな。

「爽快」さについては、前2作同様、スキー場を舞台とした、大活劇が展開されます。
特に本作は、文庫のオビに「逃げろ!!」とデカデカと書かれているとおり、
広大なスキー場で追いつ追われつの追走劇が繰り広げられます。

前2作でも活躍した、根津と千晶のコンビが今作でも活躍。
映画では、関ジャニの大倉忠義と、元AKBの大島優子が演じたキャラクターですね。

クライマックスとなる雪上ウエディングの実現のために、二人は奔走するものの、ふたたび里沢温泉スキー場は事件に巻き込まれて…。

最後は一気に読んでしまいました。
刻一刻と時間が迫るなかで、小説だと分かりながらも、つい感情移入してしまいます。

この辺は東野圭吾さんのオハコですね。今回もやられました。

■前2作と比べて…

さて、「軽い」のほうですが、前2作と比べると、スキー場を舞台にした壮大な仕掛けが欠けているように思います。
逆に言うと、前2作のスケールがデカすぎたのかもしれません。

東野圭吾さんの作品って、重いテーマを持ったどっしりしたものと、エンターテイメント性の高いものと、両極あると思います。
本作は後者。重要キャラである脇坂と波川のコミカルなやり取りも相まって、娯楽性が高く仕上がっています。

一方で、コアとなる事件や謎解きに物足りなさを感じるのは私だけではないでしょう。あえてスキー場じゃなくても…なんて思っちゃいまいました。

とはいえ、ここまで一気に読ませられたのには、ワケがあります。
本作は、すでに名前も出ていますが、何組かの魅力的な「コンビ」がイキイキと描かれています。
コンビですので、文章も基本的に会話が中心。テンポがいいんですよね。

■魅力的な「コンビ」

なかでも、「所轄」の刑事、小杉と白井のコンビがいい味を出します。
特に小杉は、頼りないところがありながらも、組織の不条理に立ち向かう正義感を持っています。本庁のエリート刑事・中条とは対照的に人情味もあって、好感度大ですね。
一方の白井は芯が無い(?)ながらも、悪いことができないお人よしキャラ。なぜか、ハライチ澤部をイメージしちゃいました。

脇坂と波川、長岡と葉月といったコンビも捨てがたいのですが、今作の(も?)最大のコンビは、根津と千晶でしょう。
今回、ふたりは、大きな転機をむかえます。
ストーリーのコアとなる追走劇のスピードとは相反するかのような、じれったい二人の仲ですが、千晶のある事情をきっかけとして…。

ということで、いろんな要素がたっぷり詰め込まれたエンターテイメント小説であることは間違いありません。
読み終えると、スキー場に行きたくなっちゃいます。
これも、スキー好きの東野圭吾さんの狙いかもしれませんね。

スキーへの愛情と、キャラクター(特にコンビ)への愛情が感じられる小説でした。
ありがとう、東野さん。ありがとう、魅力あふれる二人組たち!!

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