旅の手帖「新!日本遺産」ニッポンの魅力を再発見するストーリー

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

今日の夢中は、「旅の手帖」2021年10月号、特集「新!日本遺産」です。

■旅の手帖

旅の楽しさ、日本の美しさを伝える旅行雑誌、「旅の手帖」
2021年10月号の特集は、世界に誇れる歴史と文化「新!日本遺産」です。


旅の手帖2021年10月号

むむっ…。「日本遺産」とは、なんとも好奇心をそそられるワードです。
世界遺産が国際機関のユネスコが決定するのに対して、日本遺産は文化庁が認定します。

そのホームページを見ると、日本遺産について次のような表記があります。

「日本遺産(Japan Heritage)」は、地域の歴史的魅力や特色を通じて、我が国の文化・伝統を語るストーリー。

単に史跡・名所があるだけではダメなんですね。地域に根差した文化や伝統、歴史が織りなすストーリー…
こうしたものを発信して地域活性化につなげるために、「日本遺産」の認定が進んでいます。

今回「旅の手帖」が着目したのは、そのなかでも「新入り」の日本遺産。令和2年度に認定されたばかりの日本遺産です。
今日は、「旅の手帖」の誌面から、世界に誇れる歴史と文化「新!日本遺産」を旅しましょう!

■鮭づくしの道東へ

本誌では、北から南まで、数多くの「新!日本遺産」が紹介されています。
どれも大変魅力的ですが、当ブログでは、その中から特に興味を引かれた日本遺産を紹介しましょう。

まずは、北海道標津町・別海町のこちら。
「鮭の聖地」の物語~根室海峡一万年の道程~です。


(野付半島/写真ACより)

日本遺産は、それぞれの地域や歴史にちなんだストーリーが認定されています。
この道東の日本遺産には、こんなストーリーが記されていました。

【日本遺産ストーリー】
北海道東部の根室海峡では1万年前から人々の営みが続いてきた。その支えとなったのは、海と川を往来し、あらゆる命の糧となった鮭だ。鮭をとおして人と自然、文化は共生し、また衝突を繰り返してきた。その過程で根室海峡へと続く「道」が生まれた。ここは現在も人と自然が酒とつながる「鮭の聖地」である。

日本遺産のホームページでは、さらに詳細なストーリーが記載されています。
縄文時代から北海道の鮭は、人や動物、植物にとっても命をつなぐ重要な役割を担ってきました。

同エリアにある伊茶仁カルカリウス遺跡では、出土した食料の約9割が「鮭の骨」だったといいます。
同遺跡を保存する「ポー川史跡自然公園」には日本最多の竪穴住居跡が残り、古代人の暮らしを偲ぶことができます。
※動画は、南知床標津町観光協会「ポー川が紡ぐ1万年の物語」。壮観です!

ちなみに、アイヌ文化では鮭を「カムイチェプ(神の魚)」と呼んで大切に利用してきました。
今もこの地で鮭を育む環境の整備が進んでいるのは、そうした古代からの文化、ストーリーが根付いているからかもしれません。

■関東の二大陶芸産地を訪ねて

続いて、関東の二大陶芸産地、茨城県笠間市・栃木県益子町へ。
その日本遺産は、「かさましこ~兄弟産地が紡ぐ"焼き物語"~」です。

【日本遺産ストーリー】
八溝山地鶏山塊を挟んで向かい合う茨城県笠間市と栃木県益子町は、古代からの窯業地。同じ文化圏にあったが、江戸時代に別々の道を歩んだ。幕末、益子焼の陶祖・大塚啓三郎が笠間焼の久野陶園で学んだことで、再びその関係が強まる。明治時代からは"兄弟窯"として、関東屈指の窯業地へ発展した。

「かさましこ」とは、茨城の笠間焼の「かさま」と栃木の益子焼の「ましこ」を合わせた造語。
本誌では、「兄弟窯」とも呼ばれる二大窯業地を訪ねる旅を紹介しています。

ストーリーにも記載のある「久野陶園」では、笠間焼発祥に関わる登り窯やろくろ作業場を見ることができます。
また、益子焼の名工の作品を展示する「益子陶芸美術館」では、益子焼の歴史を学ぶこともできます。

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ろくろの作陶体験もできる施設もあり、同地の文化・ストーリーを体感するには最高かも…。

■九州を横断するお菓子の道

次なる注目の日本遺産は甘党にはたまらない…?
九州を横断するお菓子の道、「砂糖文化を広めた長崎街道~シュガーロード~」です。

【日本遺産ストーリー】
室町時代末期から江戸時代にかけ、海外貿易で日本に入ってきた砂糖は日本人の食文化に大きな影響をおよぼした。なかでも鎖国時代に唯一の西洋の窓口だった長崎と、北九州・小倉を結ぶ長崎街道沿いには砂糖や外国由来の菓子が入り、独特の食文化を形成。400年以上経った今も個性豊かな菓子づくりが発展し続けている。

鎖国時代に西洋貿易の窓口だった長崎の出島。ここには、かつて海外から輸入した砂糖を保存していた蔵があったそうです。
そんな砂糖文化の影響で、長崎をはじめとする九州各地で独特の菓子文化が花開きました。

誌面を飾る、色とりどりの菓子の数々…。
長崎のカステラ、佐賀の小城羊羹に丸ぼうろ、福岡入江製菓の金平糖…。どれもこれも美味しそうです。


福砂屋 カステラ

シュガーロードと呼ばれる長崎街道は、長崎と北九州を結ぶ脇街道として江戸時代に整備されました。
このエリアは砂糖や南蛮菓子が手に入りやすかったため、沿道の宿場町に個性豊かな郷土菓子が生まれたのだとか。
旅の人に地域のお土産をつくって提供したんですね。この街道の旅は楽しそう…。

他にも本誌には、魅力的な「新!日本遺産」がずらり掲載されています。
いわゆる観光名所じゃないけど、その地その文化に特有のストーリーがあるのが面白い…。

まさにニッポンの素晴らしさを再発見できる「日本遺産」
落ち着いたら、日本遺産めぐりをしてみたい…。そんな旅の思いが高まる「旅の手帖」特集でした。

ありがとう、旅の手帖! ありがとう、「新!日本遺産」!

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