こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、「歴史人」2018年9月号の特集「志士たちの真実 幕末維新」です。
■歴史人
雑誌「歴史人」の2018年9月号は、歴史ファンにはたまらない特集です。
その名も総力特集「志士たちの真実 幕末維新」。日本の歴史を変えた改革はいかに成し遂げられたのか。
尊王攘夷って何?から始まる幕末維新「基本のき」。
さらには、幕末動乱の幕を開けた「ペリー来航」。
そして薩長の台頭から新選組の誕生。
さらには大政奉還から戊辰戦争まで、幕末維新の系譜がたっぷりまとめられています。
大河ドラマ「西郷どん」も山場を迎えている今、まさに旬な特集が届けられました。
■薩摩はなぜリーダーになれたのか
今日は、そんな見どころ満載の「歴史人」の中から、個人的に特に惹かれた頁を紹介しましょう。
まずは、「薩摩の台頭と躍進」。
幕末を代表する薩摩藩は、島津直彬・久光という2人の指導者、西郷隆盛・大久保利通ら稀代の英傑を生み出しました。
なぜ薩摩藩が幕末維新のリーダーになれたのでしょうか?
(西郷隆盛像)
本誌はまず、その地理的な要因を挙げています。
鹿児島が江戸や京都から離れていたことが、自由闊達な風土を醸成させたとしています。
さらに、海に囲まれており、また琉球を実効支配していたことから、アジアそして世界を見る感覚を磨くことができました。
次に挙げているのが、権力者との結びつきです。
代表的なのは、篤姫の将軍家への輿入れです。「西郷どん」では北川景子さんが演じる篤姫。彼女は島津斉彬の養女です。
摂関家筆頭の近衛家との結びつきも強く、南野陽子さんが演じた、篤姫の教育役・幾島は近衛家に仕えていました。
幕府とも朝廷とも強いパイプを持っていたことになりますね。
そしてやはり、名君・斉彬の存在。
藩主の期間はわずか7年半。その間に驚異的な藩政改革を実行します。
造船・製鉄などの産業振興から、教育改革や医療充実などの社会政策まで、幅広く富国強兵を推し進めます。
あわせて、積極的な人材登用によって、西郷隆盛や小松帯刀らを世の舞台に登場させました。
■長州はなぜ逆境から復活できたのか
薩摩藩と並ぶ幕末維新の主役・長州藩。
「維新の起爆剤となった長州藩と松下村塾」では、薩摩とは半ば対照的に、その苦境ぶりが描かれています。
(松下村塾)
特に朝廷工作に失敗して「禁門の変」をおかすと、朝敵の汚名を着せられます。
さらには英仏ら列強との下関戦争、幕府軍との長州征伐等、数々の苦難が長州藩を襲います。
これら藩存亡の危機から起死回生の復活を遂げられたのは、吉田松陰が主導した「松下村塾」の門下生たちの活躍があったからです。
有名なところでは、高杉晋作、久坂玄瑞、山形有朋に伊藤博文。
吉田松陰は、各人の個性を見抜き、その能力を最大限に引き出す能力に長けていたと言います。
高杉にしろ伊藤にしろ、彼らを幕末維新の表舞台に立たせたのは、彼の「目利き」のおかげだったのかもしれません。
松陰は、わが身を捨ててまで国難に立ち向かう姿を、門下生たちに見せました。そんな松陰を精神的支柱として、長州藩は明治維新という革命の中心的役割を果たしました。
■龍馬の役割は大したことなかったの?
その両藩を和解させ、維新への舵を大きく切ったのが「薩長同盟の成立」。
本誌では、対立していた2大雄藩がいかに和解し、維新への道を歩み始めたのか、詳細に検証しています。
個人的に興味を引かれたのが、坂本龍馬の役割。
近年では、薩長同盟の成立に龍馬が果たした役割は大きくなかったのでは?とする声も大きくなっています。
(坂本龍馬像)
本誌では、時系列に沿って龍馬が薩長の橋渡し役にどれほど奔走したかを明らかにしています。
特に、幕府による第2次長州征伐に薩摩藩が反対し、勅許を阻止しようとしたことを長州藩に知らせたことは、その後の薩長関係を大きく左右しました。
薩摩からも長州からも一目置かれた龍馬が、薩摩と長州の仲をとりもったのは間違いなさそうです。やっぱり教科書から削除しなくていいんじゃない?
他にも、新選組誕生の逸話や江戸無血開城の舞台裏まで、興味深い話しがいっぱい。
誰もが知ってる英雄もたくさん登場します。歴史ファンならずとも楽しく読めるんじゃないかしら。
ありがとう、歴史人! ありがとう、幕末維新の英雄たち!