こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、万城目学さんの長編小説「偉大なる、しゅららぼん」です。
■偉大なる、しゅららぼん
万城目ワールドへようこそ。
今日は、万城目学さんの長編ファンタジー活劇「偉大なる、しゅららぼん」をとり上げます。
偉大なる、しゅららぼん
万城目さんといえば、「鴨川ホルモー」「鹿男あをによし」「プリンセス・トヨトミ」と、独特の世界観にあふれた作品を届けてきました。
奇しくも、その舞台となったのは、それぞれ京都、奈良、大阪と、いずれも関西。
やっぱり、太古からの歴史が豊かに息づく西の都が、万城目ワールドの舞台にふさわしいのでしょうか。
この「偉大なる、しゅららぼん」も、滋賀が舞台です。
今回の主人公は、不思議なパワーを持つ高校生。日本最大の湖・琵琶湖を舞台に、これまた壮大で不思議なワールドが展開します。
■あらすじ
高校入学を機に、琵琶湖畔の街・石走にある日出本家にやって来た日出涼介。
その日から、本家の跡継ぎで変わり者の淡十郎に振り回される日々が始まりました。
日出家は琵琶湖から「湖の民」として、特殊な「力」を授かった一族。
しかし、その力を授けられたのは日出家だけではありません。同様に特殊な「力」を授けられたのが棗(なつめ)家。
その長男・広海が、涼介らと同じ学校に入学してきたとき、1000年前から続く戦いが再びはじまります。
そして、そこに現れた新たな力の持ち主…。
因縁の戦いを続けてきた、日出・棗両家を襲う未曾有の災難。
涼介そして淡十郎は、家族と湖の街を救えるのか。新たな力を操るのは何者か、そして1000年続く特殊な力の正体とは…。
■映画化も
同作品は映画化もされましたね。
主人公・涼介を岡田将生さん、本家跡継ぎの淡十郎を濱田岳さんが好演。
イメージもぴったりな感じがします。
2人が真っ赤な学生服で登校するシーンはなかなかエキセントリック。実は淡十郎の趣味なので、何も知らない涼介があわれでした(笑)。
もう一人、重要な登場人物がいるのですが、それが淡十郎の姉であり、強大な力を持つ清子。
原作では、ぽっちゃり体系で淡十郎から「清コング」と呼ばれる、ちょっとコワ面の女子。
映画では、深田恭子さんが熱演していました。ちょっと盛りすぎですね(笑)。
この作品を描くに当たって、原作者の万城目さんは、デビュー当時の荒っぽい作風に立ち返ろうと心がけたそうです。
荒っぽいかどうかはともかく、登場人物の多彩さと奇抜さは、たしかに「鴨川ホルモー」に通じるものがあります。
途中から、登場人物が自由に暴れまくる感じ。
新たな敵との対決のシーンは、もう頁をめくる手が止まりません。
壮大な戦いの果てに、明かされる驚きの真実…。そして迎える感動のラストシーンに誰もが熱くなるはずです。
さすがは万城目ワールド…。すっかり異次元の世界に心を持ってかれてしまいました。
ありがとう、しゅららぼん! ありがとう、万城目ワールド!