歴史人「名字と家紋の日本史」!名字をもって天下を統べる…信長・秀吉・家康の名字戦略とは?

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館長のふゆきです。

今日の夢中は、歴史人「名字と家紋の日本史」!名字をもって天下を統べる…信長・秀吉・家康の名字戦略とは?です。
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■歴史人

いつも歴史ファンにたまらない情報を届けてくれる「歴史人」
2025年11月号は、私たちが日常的に使用している名字や、代々受け継いできた家紋の歴史をひもとく特集が組まれました。

それが、天皇家や公家、戦国大名、武士、商人…日本人1億2千万人のルーツをたどる
その誕生から現代に至るまでの変遷を追う保存版特集、「名字と家紋の歴史」です。

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歴史上の偉人だけではありません。あなたの名字・家紋のルーツを知ることができるかも…。
日本に十数万種類あるといわれている名字のうち、上位500位までの名字の由来を紹介する「日本の名字ランキング500」も掲載されています。

ちなみに1位は「佐藤」。そのルーツは平安期に権勢を張った藤原氏です。藤原秀郷の子孫が「佐藤」を名乗ったのがはじまりだとか。
第2位は「鈴木」で、刈った稲穂を積んだ藁を熊野地方で「ススキ」と呼んだことを発端に、熊野信仰とともに全国に広がったそうです。
第3位「高橋」は渓谷に架けた橋が由来。高い建物のなかった古代では橋は目立つ建造物でした。全国最大の地名名字です。

■三英傑の名字戦略

自分の名字のルーツも気になりますが、「歴史人」誌面の多くを占めるのは歴史に残る偉人・英傑の名字・家紋の成り立ち
その歴史をひもとくと、名字と家紋が権威や地位を示すものであったことが分かります。たしかに、庶民が名字を称するようになったのは江戸後期。特別なものであったのでしょう。

三英傑として知られる織田信長・豊臣秀吉・徳川家康も、名字と家紋を自らの統治戦略に用いました。
まずは織田信長。その祖先は、越前守護の斯波氏の被官とされ、三英傑のなかでは最も血筋がしっかりしています。室町時代には藤原姓を称していたという史料もあります。

信長もはじめ「藤原」を称していましたが、のちに「平」姓を称するように変えます。これは当時、源氏と平氏が交代で政権を担うという源平交代思想が広まっていたためと考えられます。
平清盛から源頼朝、平姓の北条氏、そして源姓の足利氏が室町幕府を開きました。信長は、その源姓の足利義昭を追放しています。「平」姓を称したのは、自らが天下人になろうという意志の表れといえるでしょう。

織田信長と対照的に出自が明らかでないのが、豊臣秀吉です。名字からして不明。最初の名字とされる「木下」は、妻・おねの実家の名字です。
その後「羽柴」を名乗りますが、これは信長の重臣であった丹羽長秀と柴田勝家の「羽」と「柴」をとったもの。若い頃の秀吉の名字から権威はうかがい知れません

そんな秀吉が、天下統一を視野に入れた段階で狙ったのが「関白」の地位でした。当時、関白になることができたのは藤原道長の流れをくむ五摂家のみ…。
そこで秀吉は、そのうちの一つ・近衛家の猶子となり「藤原秀吉」として五摂家の一員になりました。さすがは智謀に長けた秀吉…。

そして念願の関白となった秀吉ですが、そこからも知略をめぐらします。秀吉は、藤原姓に代わる「豊臣」姓を新たに創出、朝廷から下賜されます。
すると、これまで五摂家で持ち回りしていた関白職を自らのものとし、豊臣氏が藤原氏に代わって世襲することとしたのです。あわれ、五摂家…。

そして徳川家康。実は徳川氏の出自についても判然としません。もとは「松平」姓を名乗っていましたが、その祖先をたどると新田義重の四男・得川義芳に至ると言います。
家康は、三河統一を果たすと、この先祖の「得川」姓を根拠に、朝廷から許可を得て「徳川」姓に改めています。これは三河を中心に割拠していた他の松平氏、通称「十八松平」と差別化するためと考えられます。

さらに家康は、関ケ原の戦いの後、いずれ関白となる豊臣秀頼に対抗するため、将軍となる道を模索しました。しかし、将軍は武家の棟梁である源氏でなければ任官が難しい…。
そこで家康は、源姓である吉良氏の系図に「得川」があることを見つけ、それが「徳川」であるとして朝廷と交渉。ついに「源」姓を認められ、念願の征夷大将軍の座に就きました。

三英傑それぞれに名字に関わる戦略があったんですね…。それぞれに特徴があるのも興味深い。
その戦略を見ると有名な時鳥(ホトトギス)の句を思い出しました。「鳴かぬなら殺してしまえ時鳥」(信長)、「鳴かぬなら鳴かせてみよう時鳥」(秀吉)、「鳴かぬなら鳴くまで待とう時鳥」(家康)…。

ほかにも、前述の「日本の名字ランキング500」「珍しい名字辞典」「名字と家紋の歴史」など興味深い記事がいっぱい。
特別付録に「戦国武将の家紋シール」が付いているのも歴史ファンにはうれしい…。興味を持った方はぜひ本誌を手にとってください。

今日の夢中は、歴史人「名字と家紋の日本史」!名字をもって天下を統べる…信長・秀吉・家康の名字戦略とは?でした。
ありがとう、歴史人! ありがとう、特集「名字と家紋の歴史」!

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