
こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、歴史人「日本人と『論語』の歴史」!心に響く論語の言葉…孔子が今に残した"生きる力"とは?です。
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■歴史人
いつも歴史ファンにたまらない情報を届けてくれる「歴史人」。
2025年12月号は、皆さん一度は学んだことがあるはず…。「子曰く」(しいわく)のフレーズでお馴染みのあの書物を特集です。
それが、中国春秋時代の思想家・孔子とその弟子たちの言行をまとめた「論語」です。
中国に端を発し、東アジア全域に大きな影響を与えた「論語」。孔子が唱えた儒教の訓えは、日本でも古くから受容されてきました。
論語がわかれば日本史がますます面白くなる!孔子が今に残した「生きる力」とは?
「歴史人」2025年12月号の保存版特集は「日本人と『論語』の歴史」です。
特集の冒頭で、中国史研究の権威・渡邉義浩さんが「なぜ『論語』を学ぶべきなのか」を寄稿しています。
そこには、「論語」が日本人の識字率向上や道徳意識の形成に大きな役割を果たしてきたことが述べられています。
同氏は、論語が日本人の生活に深く入り込んだ理由として、「観念的な哲学ではなく、日常生活に根ざした具体的な倫理を説いたから」と指摘します。
親子や師弟、友人との関わり、年長者への敬意など、日常的に直面する問題に即した「論語」の訓えは、人情や思いやり、礼儀作法へと転化し、日本社会に自然に吸収されていきました。
一方で、「現代は、便利さと引き換えに、人間関係が希薄になり、信頼や共同体意識が失われつつある」と同氏は指摘します。孤独死や無縁社会といった諸問題…。
情報化社会で膨大な知識を得られる一方で、心を育む学びの場が少なくなりました。昨今の特殊詐欺事件なんかは道徳意識の欠如に起因しているように思えます。
こうした現代の課題に向き合うためにも、「論語」は大きな力を持ちます。論語は人生を導く永遠の師…渡邉さんはそんな風に冒頭文を締めくくりました。
「論語」から人生のヒントを学びましょう!今日の夢中は、「歴史人」2025年12月号の特集「日本人と『論語』の歴史」です。
■心に響く『論語』の言葉
誌面には、誰が編纂したのか?孔子とは何者か?いつ日本に伝わったのか?など、「論語」にかかわる疑問・関心事がくわしく解説されています。
そんな一大特集の中で、個人的に特に見入ってしまったのは、論語に学ぶ人生のヒント「心に響く孔子の言葉90」です。
「子曰く」の至言名言がずらり掲載された特集ページ。その中から、個人的に特に心に刺さった言葉を紹介しましょう。
まずは、「学ぶ」ことへの姿勢と心構えを説いた言葉の中から、こちらの言葉。
子曰く、学んで時にこれを習う、また説(よろこ)ばしからずや。
朋(とも)あり遠方より来たる、また楽しからずや。
人知らずして慍(いか)みず、また君子ならずや。
(先生は言われた。学んだことをしかるべきときに復習するのは、喜ばしいことではないか。学友が遠方から来てくれるのは、楽しいことではないか。人に才能や人格を認められなくても腹を立てない。それこそ君子ではないか。)
続いて、「信頼される人になるには」を説いた言葉の中から、こちらの言葉。
子曰く、君子は周して比せず。小人は比して周せず。
(先生は言われた。人格者は広く分け隔てなく人と接するが、特定の人物におもねることはない。つまらない輩は特定の人物にだけおもねるが、そこにまごころはない。)
さらに、「失敗した時や悩んだ時には」を説いた言葉の中から、次の言葉。
子曰く、過って改めざる。これを過ちという。
(先生は言われた。過ちを犯しながら改めないと、これを本当の過ちという。)
「こんな人間にはなるな」を説いた言葉も結構ありますが、その中では次の言葉が刺さりました。
子曰く、君子は和して同ぜず。小人は同じて和せず。
(先生は言われた。人格者は他人と調和するが、みだりに同調しない。つまらない輩は気安く同調するが、調和はしない。)
今の時代に通じる「危機管理」を説く言葉の中では、こちらの言葉がグサリきました。
子曰く、人、遠き慮(おもんばか)りなければ、必ず近き憂いあり。
(先生は言われた。人は先々のことに心を配らないと、必ずすぐ近くで心配事が起こる。)
最後に、「生き方」を説いた言葉の中から、こちらの有名な言葉を紹介しましょう。
子曰く、吾れ十五にして学に志す。
三十にして立つ。
四十にして惑わず。
五十にして天命を知る。
六十にして耳順(みみしたが)う。
七十にして心の欲する所に従って、矩(のり)を踰(こ)えず
(先生は言われた。私は15歳になったとき、学問をしようと決意し、30歳になったとき、学問的に自立した。40歳になると、自信ができて迷わなくなり、50歳になると、天が自分に与えた使命を悟った。60歳になると、自分と異なる意見を聞いても反発しなくなり、70歳になると、欲望のままに行動しても、人としての規範を外れることがなくなった)。
いかがでしょうか。いくつかでも、あなたの心に刺さる言葉はあったでしょうか…。
他にも誌面には、これからの人生に役立つ論語の言葉が多数掲載されています。孔子が今に残した「生きる力」を糧に、人生を豊かにしていきましょう。
今日の夢中は、歴史人「日本人と『論語』の歴史」!心に響く論語の言葉…孔子が今に残した"生きる力"とは?でした。
ありがとう、歴史人! ありがとう、特集「日本人と『論語』の歴史」!









