羽州ぼろ鳶組「玉麒麟」!江戸のすべてを敵にまわした新之助の運命は?

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

今日の夢中は、今村翔吾さんが描く「羽州ぼろ鳶組」シリーズ8作目。
羽州ぼろ鳶組「玉麒麟」!江戸のすべてを敵にまわした新之助の運命は?です。
「夢中図書館 読書館」は、小説や雑誌などの感想や読みどころを綴る読書ブログです。あなたもお気に入りの一冊を見つけてみませんか?

■あらすじ

新庄藩の火消組織、通称「ぼろ鳶組」。
その頭取並を務める鳥越新之助が忽然と姿を消しました。

時を同じくして、火消頭・松永源吾ら新庄藩に幕府から、屋敷からの出入り禁止が命じられます。
頭をかしげる源吾らのもとに、新之助が豪商一家惨殺及び火付けの下手人として手配されたという報がもたらされます。

羽州ぼろ鳶組「玉麒麟」(Kindle版)

新庄の麒麟児と謳われた新之助は闇に堕ちたのか…。
新之助を信じる源吾らぼろ鳶組ですが、真相究明を進めようにも身動きがとれません。

そんな中、新之助が一家の娘を引き連れて、江戸の市中に姿を現します。
そこに立ちはだかるのは、幕府の警察組織・火盗改や総動員された江戸の火消たち…。

果たして、新之助の運命は?豪商一家殺人・火付け事件の裏に隠された真実とは?
そして源吾は、幕府の包囲網を突破して、窮地の新之助を救い出すことができるのか?

■消えた新之助

直木賞作家・今村翔吾さんが、江戸の火消たちの活躍を描く「羽州ぼろ鳶組」シリーズ。
8作目となる本作「玉麒麟」(ぎょくきりん)は、松永源吾の右腕とも言うべき、頭取並・鳥越新之助が主人公です。

シリーズ1作目「火喰鳥」から登場している、ぼろ鳶組には欠かせない人物。
明るい性格で、ときにポカをやらかしますが、剣の腕前は超一流。新庄の麒麟児と呼ばれた凄腕です。

羽州ぼろ鳶組「火喰鳥」

その新之助が、娘を人質にとって、自らを捕らえようとする火消らと大立ち回り…。
そんな衝撃的なシーンで物語は幕を開けます。

なんと新之助は、その前日に発生した豪商一家惨殺そして火付け事件の下手人として手配されていたのでした。
そんなはずはない…。源吾らぼろ鳶組が真相究明に乗り出そうとした矢先、幕府から出入り禁止命令が下されます。

羽州ぼろ鳶組「鬼煙管」

身動きの取れない源吾の代わりに、事件の解明に乗り出したが、「銕」(てつ)こと長谷川平蔵でした。
シリーズ4作目「鬼煙管」で鮮烈な登場を果たし、源吾と奇妙な信頼関係を築いた豪傑です。

物語は中盤まで、豪商一家惨殺及び火付け事件の謎解きが、まるでミステリー小説のように描かれます。
目下進んでいく平蔵の捜査と、事件前後の新之助の行動が交互に描かれ、少しずつ真相が解き明かされていく展開は、さすが今村さん。上手い…。みるみる引き込まれていきました。

■理想の上司・松永源吾

このミステリー小説のような事件の謎解きが前半の見どころだとすると、後半の見どころはやっぱり源吾らぼろ鳶組の活躍です。

身動きを封じられた源吾ですが、さすがは「理想の上司」(館長ふゆき評)松永源吾。
あいつを見捨てる己を許せねえ…。一介の浪人に戻ることを覚悟して、新之助を助けに行くことを決断します。

そして、ある奇策によって新庄藩屋敷から脱出を試みるのですが…。
それは火消法度に精通した源吾ならではの秘策。そして、江戸の火消したちの強い結束があるからこそ実現できる奇策でした。

羽州ぼろ鳶組「玉麒麟」(文庫)

そして迎えるクライマックス。
文庫帯に書かれた通り、「命のため、真実のため、江戸のすべてを敵にまわした」新之助は、絶体絶命の窮地に追い込まれます。
自らの命も愛する人の命も尽きようとするそのとき、新之助は天に向かって咆哮します。「御頭!」

果たして、その声は、御頭・松永源吾に届くのか
豪商一家惨殺及び火付け事件の真相とは?そして、源吾は新之助の命が尽きる前に駆け付けることができるのか…。

スリルとサスペンスと感動のぼろ鳶組シリーズ8巻「玉麒麟」
やっぱり今村翔吾さんの作品は面白い…。あっという間の読了でした。

ありがとう、羽州ぼろ鳶組「玉麒麟」! ありがとう、今村翔吾さん!

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