
こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、東野圭吾「容疑者Xの献身」!天才数学者が仕掛けた悲しき献身と、湯川学の苦悩とは?です。
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■あらすじ
弁当屋で働く評判の美人、花岡靖子は一人娘の美里と慎ましくも仲良く暮らしていました。
そんな2人が暮らすアパートに、元夫の富樫が現れます。寄生するように付きまとい暴力を振るう富樫を、靖子と美里は揉み合いの末に殺害してしまいます…。
絶望に打ちひしがれる母娘。そこに手を差し伸べたのが、隣室に住む高校の数学教師・石神哲哉でした。
石神は、かつて帝都大学で類まれな才能を発揮していた天才数学者。彼は一切の綻びがない完全犯罪のトリックを組み立て、母娘を警察の捜査網から守ろうと動き出します。
捜査が難航する中、草薙刑事が相談を持ち掛けたのが、友人で天才物理学者の湯川学でした。
当初は傍観していた湯川でしたが、この事件に、大学時代に自分が唯一「天才」と認めた男・石神が関わっていることに気づき、独自に真相解明に乗り出します。
緻密で完璧な殺人隠蔽トリックを張り巡らす石神、僅かな糸口から旧友の計略を看破しようとする湯川。
互いを認め合う天才二人がまみえた時、誰も予想しなかった悲しくも美しい「真実」が明かされるのです…。
■見どころ
東野圭吾さんの名作「容疑者Xの献身」。ガリレオシリーズの第3作にして、初の長編となった作品です。
本作で東野さんは、これまで超常現象の解明にとどまっていた湯川学という人物を深く描くため、湯川の対極となる強敵として、論理で渡り合える天才数学者・石神哲哉を登場させました。
まさに、その石神哲哉という男の存在そのものが、この作品の最大の読みどころであり、胸を揺さぶる物語の凄みなのです。
数学の研究職への道を絶たれ、冴えない高校教師として生きる石神。世間から見れば、社会の片隅に放られた「敗者」のように見えるかもしれません。

しかし、彼が密かに胸に秘めていたのは、隣りに越してきた花岡靖子への静かな、しかしマグマのように熱い情熱でした。
言葉数は少なく、身なりにも頓着しない。けれど、彼が選んだ「守り方」のスケールがあまりにも凄絶なのです…。
石神が仕掛けたトリックは、単なるアリバイ工作ではありませんでした。読み手の、そして警察の「盲点」を突く、心理的かつ数学的な罠…。
自らの心を救ってくれた花岡母娘を守ろうとする、ひとりの男の凄まじい覚悟と純粋さに、胸を締め付けられずにはいられません。
この巧妙で緻密なトリックに挑むのが、「ガリレオ」湯川学でした。「幾何問題と見せかけて、実は関数の問題なんだ」。
作中で語られるこの思考の罠。湯川は、親友である石神の天才的な頭脳を誰よりも理解していたからこそ、そのトリックの「残酷さ」に気づいてしまいます。

その残酷な仕掛けに気づいた湯川の苦悩も、本作の読みどころの一つです。
それは、解けば友人を破滅させる数式でした。そして、それを解くことが誰の幸せにもつながらない謎解きでした…。
物語の終盤、湯川が花岡靖子に対して、石神の狂気とも言える「献身」の全貌を打ち明けます。
それは湯川の、科学者としての倫理であるとともに、石神に対する救済だったのかもしれません…。
今日の夢中は、東野圭吾「容疑者Xの献身」!天才数学者が仕掛けた悲しき献身と、湯川学の苦悩とは?でした。
ありがとう、「容疑者Xの献身」! ありがとう、東野圭吾さん! ご冥福をお祈りいたします。









