• 小説
    平成の刑事コロンボはキュートなメガネ女子 "福家警部補の挨拶”
    2018年1月29日
  • 小説
    真田丸ファンもむせび泣く、決して負けることのできない戦い。「とっぴんぱらりの風太郎」を読む。
    2016年12月7日
  • 小説
    TVドラマ化決定!池井戸潤「陸王」 平均57歳の足袋工場が世界企業に挑む! ゴールの行方は!?
    2017年10月9日
  • 小説
    アマゾンが新サービス「Prime Reading」を開始!早速、辻村美月「パッとしない子」を読みました!
    2017年10月16日
  • 小説
    ”山は飢え、怒っている” 怪物との死闘の行方は…宮部みゆき「荒神」
    2018年2月12日
  • 小説
    4000人対20万人 絶体絶命の北京籠城戦を”生き延びろ” 松岡圭祐"黄砂の籠城"
    2017年9月4日
  • ビジネス・経済
    「勉強しなさい」は無駄?お受験ママもびっくりの教育論。『「学力」の経済学』を読む。
    2016年11月28日
  • 小説
    限りなく静かで、限りなく美しい愛の物語 堀辰雄「風立ちぬ」
    2017年10月30日
  • 小説
    森見登美彦「夜行」 彼女はまだ、あの夜の中にいる
    2017年11月27日
  • 小説
    知能指数高い文学女子たちの心理戦。4年前の女流作家の死は自殺か、それとも他殺か?直木賞作家、恩田陸さんのミステリー小説「木曜組曲」を読む。
    2017年2月10日
  • ビジネス・経済
    正解だけじゃつまんない。皆であれこれ議論することに意味がある。「マンガ 日本最大のビジネススクールで教えているMBAの超基本」を読む。
    2016年11月26日
  • 小説
    壮大な世界観で描かれる"命"を巡る冒険ファンタジー。待望の文庫化「鹿の王」の魅力とは?
    2017年6月26日
  • 小説
    夏休みの読書感想文にオススメ! ”西の魔女が死んだ” 大好きな魔女と過ごした日々
    2017年8月21日
  • 人文・エッセー
    農薬を使わずにリンゴをたわわに実らせる…絶対不可能に挑んだ男の記録「奇跡のリンゴ」
    2017年12月4日
  • 小説
    そこは過去と未来をつなぐ不思議な雑貨店… 東野圭吾“ナミヤ雑貨店の奇蹟”
    2017年9月26日
  • 小説
    戦国が生んだ名軍師「黒田如水」激動の半生をここに!
    2017年12月25日
  • 小説
    知られざる英傑・河井継之助がのぞむ維新最大の激戦!最後のサムライの戦いとは!? 司馬遼太郎「峠」
    2017年10月1日
  • 小説
    アニメオタクの天才高校生・裏染天馬が挑む密室殺人 青崎有吾著「体育館の殺人」
    2017年11月20日
壮大な世界観で描かれる

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

今日の夢中は、上橋菜穂子さんの長編小説「鹿の王」です。
2015年の本屋大賞受賞作。待望の文庫版が出ました。


鹿の王1/上橋菜穂子

■鹿の王

ついに、2015年の本屋大賞受賞作、上橋菜穂子著「鹿の王」の文庫版がリリースされました。
6月、7月で全4巻が連続で刊行されます。

前半部分となる1巻と2巻がいま、書店に並んでいます。


鹿の王2/上橋菜穂子

「鹿の王」。頁をめくると、その広大な世界観に引き込まれます。
簡単に、ネタバレしない程度に、あらすじを紹介すると…。

強大な帝国・東乎瑠(ツオル)から故郷を守るため、死を覚悟して戦う戦士団“独角”。
その頭であったヴァンは、妻と子を病で失い、失意のまま奴隷として岩塩鉱に囚われています。
ある夜、不気味な犬の群れが岩塩鉱を襲い、謎の病が発生します。

病が広がり村が全滅するなか、ヴァンは生き延びます。
そしてもう一人、同じく病から逃れた幼子ユナがいました。

不思議な運命の糸で結ばれたヴァンとユナの2人旅。
数々の巡り合いと、壮大な冒険の果てに、たどり着いた真実とは…。

■上橋菜穂子

作者の上橋菜穂子さんは、東京都生まれの児童文学作家、ファンタジー作家、そして文化人類学者です。

1989年に「精霊の木」でデビューしました。
代表作に、「精霊の守り人」や「獣の奏者」などがあります。


精霊の守り人/上橋菜穂子

「精霊の守り人」は、主人公バルサを綾瀬はるかさんが演じて、NHKでドラマ化されています。
「獣の奏者」のほうも、TVアニメ「獣の奏者エリン」として、NHKで放映されました。


獣の奏者/上橋菜穂子

ご覧になれば分かりますが、いずれも壮大な世界観で展開するファンタジー・ドラマです。

その世界観を形づくるのは、上橋節とも言うべき、架空の世界。
今回の「鹿の王」も、ツオルやアカファといった架空の国や、半仔(ロチアイ)や飛鹿(ピュイカ)といった空想の生き物が登場します。
はじめて見聞きする世界にもかかわらず、細部までコンセプトや設定が造りこまれているので、リアルな存在感を持って物語に飛び込めます。
架空の世界でありながら、そこに既視感があるような、同じときの流れの中で、扉の裏側にその世界が広がるような…。

この辺は、宮崎駿さんのジブリの世界に相通じるものがあると思います。
特に、「鹿の王」は、ヴァンが操る飛鹿の印象もあって、「もののけ姫」を想起します。
もちろんストーリーはまったく違うんだけど、瑞々しい感性が生み出す壮大な世界観は近いと思います。

その描く世界観は海外の評価も高く、
上原菜穂子さんは、児童文学のノーベル賞と称される「国際アンデルセン賞」を、2014年に受賞しました。

■もう一つの見所

壮大な冒険ファンタジー。これが物語の柱であるのは間違いありませんが、「鹿の王」はもう一つの柱があります。
それが医療サスペンスともいうべき、はかない命をめぐる医師の戦いです。

物語のもう一人の主人公として登場するのが、天才的な医療技術を持つホッサルです。
人々の命を奪う謎の病の治療法を探るべく、ホッサルは村々を訪ね歩き研究を重ねます。
そこに、奇跡的に病を生き延びたヴァンがいることを知ります。
ヴァンとホッサル。2人の主人公が出会ったとき、物語は新たな展開を見せます…。

本格的な医療ドラマと言っても過言ではない、精緻な設定と迫真の医療現場。
ホッサルの、自らの命を削ってまで真実を探ろうとする医療の戦いに、思わず「ガンバレ!」と声をかけたくなります。

そんな医療への熱い思いが受けて、「鹿の王」は、第4回日本医療小説大賞も受賞しています。

「精霊の守り人」や「獣の奏者」と同様に、映像化が期待されるところですが、
願わくば、宮崎駿さんとスタジオジブリにつくってほしい!…なんて勝手に空想しているところです。

ヴァンとホッサル。性格も生き様もまったく異なる2人が、それぞれのやり方ではかない命を守るべく戦います。
命をつなげ、愛する人を守れ!そして迎える、2人の戦いの結末は…!?

名作です。ありがとう、上原菜穂子さん、「鹿の王」!
ありがとう、角川文庫!第3、4巻は、7月下旬発売予定!

ブログランキングに参加しています!

にほんブログ村 本ブログへ

 

 

 

 

ブログサークル・コメント一覧

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事