祝!本屋大賞受賞「成瀬は天下を取りにいく」!わが道をゆく成瀬にぞっこん

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

今日の夢中は、祝!本屋大賞受賞「成瀬は天下を取りにいく」!わが道をゆく成瀬にぞっこん…です。
「夢中図書館 読書館」は、小説や雑誌などの感想や読みどころを綴る読書ブログです。あなたもお気に入りの一冊を見つけてみませんか?

■あらすじ

「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」
中学2年の夏休みのはじまり、幼馴染の成瀬あかりがまた変なことを言いだした…。

コロナ禍で閉店を迎える西武大津店に毎日通い、そこから生中継されるテレビ放送に映るという。
そのチェックを託された島崎みゆきがテレビをつけると、そこに西武ライオンズのユニフォームを着た成瀬がいました…。

小学生の卒業文集に書いた将来の夢は「二百歳まで生きる」
期末テストで五百点取ると宣言して、結果は四百九十点。成瀬あかりの言うことはスケールが大きい

そんなわが道を突き進む成瀬は周囲から孤立。ただ島崎はそんな成瀬の側に居続けます。
成瀬の依頼にもきちんと対応、果てはテレビ中継にも一緒に出たり。さらには、お笑いの頂点を目指すという突拍子もない成瀬の宣言に、相方としてM-1に出ることになったり…。

もはや、誰も成瀬を止められない、誰も成瀬から目を離せない
天真爛漫な成瀬あかりが、愛する地元滋賀で巻き起こす出来事の行方は?本屋大賞受賞の青春小説です。

■成瀬はわが道をゆく

祝!2024年「本屋大賞」受賞!
今日とり上げるのは、宮島未奈さんの小説「成瀬は天下を取りにいく」です。

主人公・成瀬あかりが繰り広げる日常の、一風変わった出来事が描かれる連作短編集
読み始めたらあっという間、成瀬と舞台となる滋賀県大津市にすっかり引き込まれ、久しぶりに一気読みしてしまいました。

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「成瀬は天下を取りにいく」が本屋大賞に選ばれたのも当然かも。この作品は読者を惹き込む魅力に満ちています。
特に、この本を読んだ人すべてが魅了されるのが、主人公・成瀬あかりの圧倒的な行動力です。

二百歳まで生きる、M-1に出る、期末テストで五百点とる、私が大津にデパートを建てる…。
シャボン玉やけん玉、競技カルタなど、思い立ったら本当に表彰されるくらいの実力までやり遂げる「すごい」少女。

成瀬曰く、大きなことを百個言って、ひとつでも叶えたら「あの人すごい」になるという。
「だから日頃から口に出して種をまいておくのが重要」なのだと。清々しいまでの挑戦心、それが彼女の最大の魅力です。

一歩間違えば、変わり者。実際に成瀬もいじめられたり孤立しますが、まったく意に介さず。
圧倒的な行動力とブレない芯が、彼女を前に動かします。これ、ほとんどのひとが躊躇して無くしてるものですよね…。気づけば、そんな成瀬を応援…すっかりゾッコンになっていました。

■軽妙な文章としっとりラストと

さらに、本書の魅力は、著者・宮島未奈さんが紡ぎ出す小気味の良い文章にあります。
まるで漫才のボケとツッコミが、小説のなかで軽妙に繰り出されているよう…。

たとえば、お笑いの頂点を目指すことを思い立った成瀬が、島崎にM-1にエントリーすると告げる場面

「待って、誰と出るの」
成瀬は何を聞いてるんだという顔をする。
「島崎しかいないだろう」
わたしは額に手を当てた。こういうのを異例の大抜擢というのだろう。

たとえば、競技カルタで類まれな才能を発揮し全国大会に出場。そこで成瀬に好意を持った男子高校生から声をかけられる場面

「わたしは膳所高校二年の成瀬あかりだ。大津へようこそ」
某RPGの村人みたいな口調に違和感を覚える。普段からこんなふうなのだろうか。

こうした、何気ないやり取りが随所に散りばめられていて、ニヤリとしててしまうのです。
この辺りは、先般直木賞を受賞した万城目学さんに相通じるものを感じました。これは、万城目ワールドならぬ宮島ワールドか…。

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ただ、そうした成瀬の風変わりな武勇伝で本書は終わりません。
小説の最後、6編目に収められている「ときめき江州音頭」は、それまでの短編と異なり、成瀬を主語にストーリーが語られます。

ほかの短編は、島崎だったり男子高校生だったり第三者の目線から、成瀬のちょっとエキセントリックな姿が描かれます。
ただ、本編のみは主人公・成瀬あかりの目線で物語が進んでいきます。そうしなければならない理由が、本編にはありました。

親友・島崎から突然明かされる「わたし、東京に引っ越すことになったの」の一言。
そこから展開する、ちょっと感傷的なエピソード…。そこではじめて、成瀬の心のうちが語られるのです。

それまで、いい意味で超人的で、なにごとにも動じず、わが道を突き進んでいた成瀬にはじめて訪れる変調…。ふつうの人間・成瀬が見せる行動に胸を打たれます。
そして迎える、成瀬と島崎2人の漫才ラストステージ。そこには思いがけない出来事が待っていました…。

笑って、ハマって、最後はうるっと涙した…。どこまでも真っすぐな成瀬を圧倒的に支持します。
祝!本屋大賞受賞!今日の夢中は、宮島未奈さんの青春小説「成瀬は天下を取りにいく」でした。

おめでとう、宮島未奈さん! ありがとう、「成瀬は天下を取りにいく」!

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