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夏休みの読書感想文にオススメ!

こんにちは。夢中図書館へようこそ。
館長のふゆきです。

今日の夢中は、夏休みの読書感想文にオススメ、小川洋子著「博士の愛した数式」です。

■夏休みにおススメの本

夏休みも中盤!中高生諸君、宿題は順調に進んでいますか?

なかでも手ごわかった思い出がある読書感想文…。どの本を選ぶかも悩みますよね。
そんな高校生諸君のために、ジャーナリストの池上彰さんが、文春オンラインで読書感想文におススメの本を挙げています。それは次の3冊。

恩田 陸 『夜のピクニック』
梨木 香歩『西の魔女が死んだ』
小川 洋子『博士の愛した数式』

以前、当図書館では、恩田陸さんの「夜のピクニック」を紹介しました。
※そのときの記事はこちら

今回は、こちらもおススメの、小川洋子さんの「博士の愛した数式」を紹介しましょう。


博士の愛した数式 小川洋子著

■博士の愛した数式

「博士の愛した数式」。
ネタバレしない程度に、あらすじを紹介すると次の通りです。

「ぼくの記憶は80分しかもたない」。博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められています。
17年前に交通事故により記憶力を失った老数学者のもとに派遣されることになった家政婦「私」。

80分しかもたない記憶と数字にしか興味を持たない博士とのコミュニケーションは、困難をきわめます。
そんなぎこちない関係が、「私」の10歳の息子との出会いをきっかけに、少しずつ変わっていきます。

頭の形から「√(ルート)」と名づけられた息子と、女手一つで彼を育てた「私」、そして17年前で時を止めた博士。
優しさゆえの痛みと、いたわりが生み出す奇跡…。80分の記憶がつなぐ3人の関係の行方は…!?

■小川洋子さん

作者の小川洋子さんは、1962年、岡山県生まれ。1991年に「妊娠カレンダー」で芥川賞を受賞している実力派作家です。

「博士の愛した数式」は、2004年の作品です。この年に創設された本屋大賞で、記念すべき第1回大賞を受賞しました。
ちなみに、翌年の第2回本屋大賞受賞作品が、恩田陸さんの「夜のピクニック」です。


夜のピクニック 恩田陸著

直近では、上原菜穂子さんの「鹿の王」が受賞しましたね。


鹿の王1 上原菜穂子

ちなみに、本人は大の阪神タイガースファンなんだとか。
「博士の愛した数式」でも阪神タイガースは物語の重要な鍵を握ります。

■読みどころ

「博士の愛した数式」の読みどころは、何と言っても、博士と「私」と「√(ルート)」の邂逅。
それぞれに心に傷を持った3人が、それぞれに対するいたわりの思いを通じて、思いがけず絆を増していきます。
さまざまなエピソードを通じて、その絆が高まる様は、ときに優しく、ときに切なく、胸に熱いものがこみ上げます。

もう一つ、この本の読みどころとして欠かせないのは、深くひろがる数学の世界。
普段はまったく使うことのない数式。階乗、友愛数、完全数、虚数、フェルマーの定理……。
聞いただけでアレルギーが出そうな数式ですが、博士にかかると興味深く意味あるものとなります。

たとえば、博士と「私」の最初の出会いの場面はこんな感じ。

「君の靴のサイズはいくつかね」
新しい家政婦だと告げた私に博士が一番に尋ねたのは、名前ではなく靴のサイズだった。
「24です」
「ほお、実に潔い数字だ。4の階乗だ」
「カイジョウとは何でしょうか」
「1から4までの自然数を全部掛け合わせると24になる」

さらに「私」は、電話番号や誕生日を聞かれますが、その度に博士の口から解説される、その数字が持つ唯一の存在感。
無機質な数字が、急に温かみを持つように感じます。
17年前以降の記憶のない博士にとって、コミュニケーションの手段は、記憶を失う前に身体に染み付いた数式になるのです。

そして、その数式が、3人の絆にも大きく影響することになります。
そこに登場するのは、ある数学界の有名な公式と、阪神タイガースの江夏豊…。

決してハラハラドキドキの展開があるわけではありません。
ただ、博士とその愛した数式を通じて、私たちは、心温まる愛と感動の物語に出会うことができます。
感涙ポイントも数多くありますが、読み終えた後は、きっと心があったかくなっているはず。おススメです。

■見どころ

ちなみに、「博士の愛した数式」は映画化もされています。
博士を演じるのは寺尾聰さん。「私」を演じるのは深津絵里さん。


博士の愛した数式(DVD)

DVDジャケットにあるような美しい映像と、演技派の俳優陣の心のこもった熱演によって、素敵な映画に仕上がっています。
これなら著者の小川洋子さんも満足ではないかしら?こちらもおススメです。

ありがとう、小川洋子さん! ありがとう、博士!

 

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