なぜいま「応仁の乱」が売れるのか?いまどきの「地味なのに…想定外のヒット」の理由に迫る!日経MJを読む。

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

今日の夢中は、日経MJの1面記事「地味なのに…想定外のヒット」です。

こんな地味な記事(失礼)が1面になるとは、さすが日経MJ。
ただ、その記事の内容を見ると、新しいトレンドの香りがします。
サブタイトルは、「今年序盤 意外な支持層の商品続々 消費者、新たな価値発見」。

同紙の、時代を先取りする目にはいつも感心します。
さて、「想定外のヒット」とは?

■応仁の乱

最初に紹介されているのは、中央新書「応仁の乱」。
日本史上で最も有名な大乱の一つ「応仁の乱」。だれもが一度は聞いたことがあるとは思いますが、その詳しい内容は知らないのではないでしょうか。
そんな「応仁の乱」をとことん掘り下げたのが同書です。
出版社ですら「2万部が良い線かな」と思っていたところ、すでに34万部を突破。異例のヒットとなっています。


応仁の乱

業界の常識は、戦国時代や幕末は売れても、室町時代は売れないのだとか。
確かに、室町時代の物語って、あまり聞いたことがないです。
しかも応仁の乱となると、史上に残る大乱にもかかわらず、本でもテレビでも見たことがない。
そもそも11年も続いた戦いで、誰と誰が戦って、どんな戦いをして、結局どうなったかが分からないという、複雑怪奇な戦なんですよね。

そんな不思議な大乱に正面から向き合って、丁寧に解きほぐしているのが人気の要因。
しかも30代~40代の比較的若い層が、ツイッターで口コミを発信したことから、じわじわと売れ行きを伸ばしています。
キャッチコピーも若者を引き付けました。「地味すぎる大乱」、「スター不在」。。。このゆるさがイイのかも?

確かに歴史好きの一人として、詳しく知らないがゆえに、引かれるものがあります。
本当は、戦国時代の扉を開けたと言ってもいい戦なんですよね。なんでこんなに地味なの?誰が主役?
…ちょっと読んでみたくなりました。さすが日経MJ。。。

■でか焼鳥

つづいて、「でか焼鳥」。
群雄割拠のコンビニのホットスナック・コーナーで、ローソンが1月から発売している「でか焼鳥」が急上昇中。
従来より重さを約2割増やしながら、価格は127円と手ごろな水準が受けて、3カ月で3,000万本が売れているとのこと。計画の2倍を売り上げるヒットとなっているそうです。

ローソンにとってうれしい想定外は、40代の女性に売れていること。30~50代の男性を主要ターゲットとしたのに、40代女性の購入が最も多いそうです。
ちなみにこの記事を読んで、帰り道にローソンに寄ったら、何と「売り切れ」。これはホンモノかもしれません(失礼!)。
肉食女子が多いのかしら?

■キュキュット、プライドポテトなどなど

その他にも、想定外のヒットとなっている商品はあります。

たとえば、花王の「キュキュット クリア 泡スプレー」。
直接洗剤をスプレーして1分後に水ですすぐだけで汚れが落ちるというスグレもの。
主婦層をターゲットとしたものの、バーテンダーなどの飲食業や働く女性の人気を集めて、こちらも計画比2倍売り上げているとのこと。

たとえば、湖池屋の「コイケヤプライドポテト」。
「プライド」の名のとおり、日本産100%じゃがいもへのこだわりはもちろん、あぶった和牛やマツタケなど3種類の味を用意。
ターゲットは20~40才の男女でしたが、素材へのこだわりがウケて、40~50代の女性の購入も増えているのだそう。
年間20億円の販売目標のところ、2月の発売から2ヶ月で、すでに15億円を突破。いまだ衰え知らずの人気です。

たとえば、森永乳業の大人向けの粉ミルク「ミルク生活」。
中鎖脂肪酸などの栄養素を含み、健康を気にするシニア層の女性を狙った同商品。
それが、SNSで「気分は赤ちゃん」などと取り上げられ、20代の若者など幅広い層にウケて、こちらも計画を上回る売上を上げています。

他にも記事では、意外なヒット商品が紹介されていますが、いずれも想定と異なる売れ方をしているのが特徴です。
いまどきは、企業ではなく、消費者がトレンドをつくる時代なんですね。

しかも、企業が想定したターゲットと異なる、想定外の支持層がブームをつくるのも面白いところ。
いまどきの広告宣伝はSNS!彼らがSNSでクチコミすると、その評判は一気に広がります。
意外な支持層であればあるほど、SNSのウケがいいのかもしれません。。。

想定外のコアファンによる、SNSを介した「一押し」。
これがいまどきの「地味なのに…想定外のヒット」の法則なのかもしれませんね。

とっても興味を引かれました。ありがとう、日経MJ!

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