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夏休みの読書感想文にオススメ!

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

今日の夢中は、恩田陸さんの出世作「夜のピクニック」を紹介します。


夜のピクニック

■夏休みにおススメの本

「夜のピクニック」。
以前も当夢中図書館で少し紹介しましたが、2016年度下期に直木賞を受賞した恩田陸さんのブレイクするきっかけとなった作品です。
※そのときの記事はこちら

今回、あらためて、取り上げようと思ったのは、文春オンラインで、池上彰さんが高校生の読書感想文に薦める本に挙げていたからです。

夏休みの読書感想文におススメの本を聞く10代女子高校生に対して、池上氏は次の3冊を推薦しています。

梨木 香歩『西の魔女が死んだ』
小川 洋子『博士の愛した数式』
恩田 陸『夜のピクニック』

なかなかイイところつきますね、池上さん!好きな作品ばかりです。
多感な高校生時代に読むと、ひとの優しさとか痛みとかが一層心に染みるのではないでしょうか。

■夜のピクニック

「夜のピクニック」。
ネタバレしない程度に、あらすじを紹介すると次のとおりです。

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。
それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事です。
学校生活の思い出や卒業後の夢などを親友たちと語らいながらも、甲田貴子は胸の中で小さな賭けをして、歩行祭にのぞんでいました。
その視線の先にいるのは、同級生の西脇融。二人の間には、誰にも言えない秘密がありました…。
夜のピクニック。星空の下で、離れては近づく2人。果たして貴子の賭けは成功するのでしょうか。

この歩行祭は実際のモデルがあるそうです。
それが、著者の母校茨城県立水戸第一高等学校の名物行事「歩く会」。
この歩く会では、夜を徹して70kmを歩くのですが、本著の「歩行祭」は、さらに10㎞追加して80㎞となっています。

■恩田ワールドの魅力

恩田陸さんの小説を読むと、いつも思うのですが、何気ない会話が上手です。
たとえば、西脇融とその親友で、融と貴子の仲を勘繰る戸田忍の会話。

忍「そうか、何かトラブルがあったんだな。三角関係か?性格不一致か?」
融「あのなあ」
忍「相談しろよ、一日は長い」
融「おまえ、意外としつこい性格だな」
忍「今ごろ気づいたか」

たとえば、甲田貴子とその親友で学校のマドンナ的存在の遊佐美和子との会話。

貴子「みわりん、あたし、もう駄目」
美和子「もう少し。第一ポイントまで行ったら、歩きましょ」
貴子「どこよ、第一ポイントって」
美和子「もうすぐよ。この橋越えて、次の国道の交差点だと思う。そこまで行けば、残り14キロのはず」
貴子「ひー!」
美和子「ファイトっ」

こうした細かな会話がスパイスになるのは、メインの料理がおいしいから。
メインとなる、主人公貴子の「小さな賭け」も、謎解きのような楽しみがあります。
若さゆえの心の葛藤が、ときにじれったく、ときに切なく、小さな賭けの成否を左右していきます。


夜のピクニック(DVD)

貴子と融という2人の関係を軸に物語は展開するものの、それを取り巻く親友たちが実にイイ。
こんなイイ奴いたかな?と自らの学生生活を振り返ってしまうほど、あこがれの青春時代がそこにあります。

さらに、恩田陸さんは、推理小説大賞を受賞するほどのミステリー上手。
物語中盤で謎の少年が登場し、はたまた中絶した女子高生の父親探しや、親友の片思いの相手探しなど、さまざまな謎解き(?)が物語にプロットされています。
青春ドラマでありながら、ミステリーも楽しめる。「夜のピクニック」は、そんな素敵なコース料理なんです。

 

■本屋大賞

先日、当「夢中図書館」で、2015年の本屋大賞を受賞した「鹿の王」(上原菜穂子著)を紹介しました。


鹿の王3

実は、その10年前、2005年本屋大賞の受賞作が、今回紹介した「夜のピクニック」(恩田陸著)です。

そもそも本屋大賞とはどんな賞かと言うと、一般の文学賞と異なり作家・文学賞が選ぶものではなく、全国の新刊を扱う書店で働く書店員の投票によって受賞作が決まるという、とてもユニークな賞です。
言ってみれば、その受賞作は、全国の本好きが選んだ、読者目線の一番面白い本。

「鹿の王」もそうでしたが、この「夜のピクニック」も、読んだら間違いなく、そのストーリーに引き込まれます。
今回読み直してみて、その面白さにあらためて心をとらわれました。
きっと全国の高校生諸君も楽しめるはずです。…感想文が書けるかどうかは君たち次第だけど。。。

ありがとう、恩田陸さん!夜のピクニック、おススメです!

 

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