こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、日経おとなのOFFの特集「学び直し!日本の歴史」です。
■日本の歴史を学び直し
「日経おとなのOFF」2017年7月号の特集は、「日本の歴史 学び直し講座」です。
歴史好きには捨て置けないタイトル!
しかも表紙には「小説よりドラマチック!歴史の新事実」なんてコピーが書かれています。
これは読まずにはいられません。
この特集は、日本を変えた3大転換点として、「応仁の乱」、「関が原の戦い」、「幕末・明治維新」を取り上げています。
それぞれ見所を紹介しましょう。
■応仁の乱
いまひそかなブームとなっている「応仁の乱」。
その火付けとなったベストセラー書籍「応仁の乱」の著者・呉座勇一さんのインタビューも載っています。
応仁の乱は、日本史上最長の戦乱です。京都を舞台に11年もの間、続きました。
今年は、「応仁の乱」が勃発してから650年の節目の年だそうです。何かイベントやるのかしら?
誌面では、「日野富子は悪女ではなかった」とか「足利義政は政治を投げ出していない」とか、通説へ疑問を投げかけます。
でも、そもそも、「応仁の乱」自体がよく知られていないから、通説というものを教えてほしいというのが本音です。
…という私みたいな「応仁の乱」初心者にありがたいのが、「5分で丸分かり そうだったのか!応仁の乱」。
黒板を模した図解入りで、当時の対立関係だとか、主だった合戦などを紹介してくれます。
乱の始まりとなったのが「上御霊社の戦い」。有力大名・畠山氏の家督をめぐる争いでした。
それがなんで11年もの乱になったかというと、この家督争いに、当時の超大物大名の、細川勝元と山名宗全が加わったから。
それまで水面下で反目していた両者が、この戦をきっかけに正面から衝突することとなりました。
誌面では、その2大将の対照的な性格の分析や、骨肉争いの系譜なども紹介されています。
あくまでお家騒動の延長戦。それがなぜ、京の都を荒廃させるほどの大乱になったのか?
勝者も敗者もいない、不思議な戦い「応仁の乱」。ますます呉座さんの本を読みたくなりました。
■関が原の戦い
地味な応仁の乱と比べると、大河ドラマなどで取り上げられ、歴史好きでなくとも親近感のあるのが、戦国時代と幕末でしょう。
戦国時代のクライマックス、関が原の戦い。
誌面では、「小早川秀秋は裏切者ではなかった」とか、興味深い記事もあります。
前の大河ドラマ「真田丸」では合戦シーンが描かれなかったこの戦。
応仁の乱とは対照的に、天下分け目の大戦なのに、あっという間に決着が着いています。
運命の日は1600年9月15日。
夜霧のなか、午前4時ごろには、東軍・西軍ともに8万数千の兵が布陣します。
合戦が始まったのは午前8時。一番槍を狙った徳川家臣・井伊直政が西軍に攻撃を仕掛けます。
もともと東軍の先陣は福島正則と決まっていましたが、井伊直政が抜け駆けした格好で、戦の火蓋が切って落とされました。
この井伊直政こそ、現在の大河ドラマ「おんな城主 直虎」で、直虎が後見人として育てている虎松。
寺田心くんが幼少時代を演じていますね。
泣き虫の虎松が、後に大出世して、先鋒争いをするなんて、なんか胸アツです。
ちなみに、成年となった虎松、すなわち井伊直政を演じるのは菅田将暉くん。これまた楽しみで、胸が高まります。
横道にそれましたが、誌面では、時の流れに沿って、午後3時に西軍が敗走するまでをドキュメンタリー風に紹介しています。
歴史に「もしも」はつきものですが、関が原の戦いこそ、いくつもの「もしも」を感じざるを得ない戦ですね。
■幕末・明治維新
戦国時代に終止符を打ったのが「関が原の戦い」だとすれば、江戸徳川の御世に終止符を打ったのが「明治維新」。
こちらも大河ドラマや小説などで数多く描かれている題材ですので、登場人物も馴染みの傑物ばかり。
徳川方は、最後の将軍・徳川慶喜を筆頭に、勝海舟、井伊直弼ら。
一方の薩長側は、西郷隆盛、大久保利通、桂小五郎、高杉晋作など。
これに、大政奉還を発案したとされる土佐の坂本龍馬が加わります。
面白いのは、「明治政府を支えたのは旧幕府の人材だった」という視点。
もともと江戸幕府という大日本を260年も支える強固な官僚組織を築いていたわけですから、人材の宝庫と言えます。
薩長にとっては、こと国家運営の観点では、旧幕府の人材から学ぶところが多かったのではないでしょうか。
明治政府においても海軍大輔など重用された勝海舟はもちろん、「日本資本主義の父」と言われる渋沢栄一、
郵便制度を創設した前島密、慶應義塾大学の創設者である教育者・福沢諭吉などは、いずれも旧幕臣でした。
これも、明治維新という一大革命が、江戸の無血開城という形で成し遂げられたことが大きいと思います。
無用な命を失うことなく、次の代につながられたこと。この後の日本の近代化にとって、それは幸運な出来事でした。
今年は、大政奉還150周年の記念すべき年だそうです(!)。
この機会に、当時の偉業を学び直すのもいいかもしれません。
以上、個人的な関心も含めて、「日経おとなのOFF」7月号の見所を紹介しました。
くわしく知りたい方は本誌をご覧いただければと思います。
「学び直し!日本の歴史」というタイトルどおり、あらためて歴史の転機を学び直すことができます。
ありがとう、日経おとなのOFF!日本の歴史、学び直せました!