こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、「歴史人」2021年6月号、「古代天皇と古墳の謎」です。
■歴史人
いつも歴史ファンにたまらない情報を届けてくれる「歴史人」。
2021年6月号の特集は、いまさら聞けない!「古代天皇と古墳の謎」です。
「おとなの歴史学び直し企画」と銘打った保存版特集。
今回学び直すのは、今から遠い昔、日本という国が形づくられる草創期。
日本史のはじまりにおいて、その存在を欠くことのできないのが天皇です。
しかし一方で、古代史における天皇の存在は、現在でも不明な点が多いのです…。
その謎多き古代天皇史に、歴史人が果敢に切り込みます。
天皇はどのように誕生し、その影響力をいかに拡大していったのか。
ニッポンのはじまりを解き明かす特集「古代天皇と古墳の謎」。
さあ、歴史人から、古代ニッポンの旅に出かけましょう。
■古事記と日本書紀
古代天皇史を紐解くにあたって、重要な史料があります。
それが「古事記」と「日本書紀」。「記・紀」と総称される日本最古の歴史書です。
そこに記されているのは、壮大な日本神話の神々による天地開闢から、天孫が降臨されたとされる古代天皇の神統譜。
この歴史書によって、古代天皇は神格化され、その権威を盤石なものとしました。
歴史人では、記・紀がいつ何のために編纂されたかにするどく切り込んでいます。
「古事記」も「日本書紀」もほぼ同時期の天武朝に編纂がスタートしました。
編纂の背景には、ときの天武天皇の即位事情があったと記事は指摘します。
天武天皇は壬申の乱(672年)で、兄の天智天皇の子である大友皇子に対し反乱の兵を挙げると、皇子を自決に追い込み自ら皇位につきました。
そうした経緯があったため、自分が正統であるという歴史書による裏付けを必要としたと考えられるのです。
なるほど…。天皇の権威を高めるとともに、後の内乱の芽を摘み取っておきたかったのかもしれませんね。
■神話の世界
日本最古の歴史書である「古事記」と「日本書紀」には、古代天皇に続く神代の国造りの神話が記録されています。
私たちが何となく聞いたことのある神話は、この記述がもとになっていることが多いのです。
記・紀ともに、イザナギ・イザナミ両神による国生みの神話を描いています。
さらに、三貴子(アマテラス・ツクヨミ・スサノオ)の誕生へと続きます。
このスサノオが乱暴者で、怒ったアマテラスが天岩戸に籠るなどドタバタを繰り広げた末に、高天原(天上の世界)を追放されます。
出雲に降ったスサノオは、8つの頭と8つの尾を持つ怪物ヤマタノオロチを退治し、地上の世界で一躍英雄となります。
このスサノオの子孫が、日本国を創った神とされるオオクニヌシです。
オオクニヌシは根国(地下の世界)で様々な試練を乗り切り、地上に戻ると日本国(葦原中国)の国造りを完成させました。
やがて、オオクニヌシは出雲大社の造営を条件に、高天原のアマテラスに国譲りを行います。
そして、「記・紀」神話のクライマックスの天孫降臨につながっていくのです。
アマテラスは、オオクニヌシの国譲りを受けて、孫のニニギを日向の高千穂に天降りさせます。
このニニギの子孫が天皇家となっていきます。つまり、天皇家をさかのぼるとアマテラスに行き着くわけですね。
なるほど…。だいぶ意訳しましたが、これまで部分的に理解していた神話の流れが分かったような気がします。
ちなみに、アマテラス(天照大神)は謎の多い女神で、一説には卑弥呼のことかとも言われています。
もちろん真相は遠く古代の歴史のなか…。古代ニッポンは浪漫に満ちあふれていますね。
「歴史人」にはまだまだ、古墳巡りが楽しくなる古墳の見方・味わい方であったり、戦乱で読み解く古代史であったり、興味をそそられる記事がたくさん掲載されています。
いまさら聞けない!「古代天皇と古墳の謎」。古代ニッポン、さらには神話の世界へ、歴史人から浪漫飛行へ出かけてみませんか。
ありがとう、歴史人! ありがとう、特集「古代天皇と古墳の謎」!