「夏子の酒」幻の酒米で日本一の美酒を!泣ける名場面はこれだ!

こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。

今日の夢中は、尾瀬あきらさんの名作漫画「夏子の酒」です。

■あらすじ

東京の広告代理店で働く佐伯夏子
ある日、彼女のもとに新潟の実家から兄の訃報が届きます。

日本一の酒を造る出すことを夢見ていた兄・康男…。
その兄が遺したのは、幻の酒米「龍錦」の種籾(たねもみ)でした。


夏子の酒(6)

夏子は兄の遺志を継いで、佐伯酒造で酒造りを始めます。
めざすのは、酒米「龍錦」を使った七色に輝く、日本一の吟醸酒…。

夏子の熱意に周囲も動かされていきます。
父・浩男、義姉・和子、幼馴染の冴子、ベテラン杜氏の山田信助、若き杜氏・草壁…。

果たして夏子は、幻の酒米「龍錦」を復活させることができるのか。
日本一の吟醸酒「夏子の酒」を造り出すことができるのか…

■夏子の酒

尾瀬あきらさんの漫画「夏子の酒」
1988年から1991年まで、「モーニング」(講談社)に連載されました。
コミックでは全12巻が刊行されています。


夏子の酒 全12巻

ストーリーは、日本酒造りが抱える様々な課題をとり上げた社会派漫画です。
質の低い日本酒を大量生産する酒蔵、農薬や後継者問題など農業が直面する課題…。それらを正面から描きました。

実は、この「夏子の酒」には実在のモデルがあります。
それが新潟県長岡市にある老舗酒蔵・久須美(くすみ)酒造です。
6代目当主が幻の酒米「亀の尾」の種籾を入手すると、3年かけて復活。純米大吟醸「亀の翁(かめのお)」を誕生させました。

「夏子の酒」のモデルとなった蔵元が送る、夏子の恋模様を思い出す純愛風味の日本酒「夏子の酒」を飲む。

1994年にはTVドラマ化もされています。
和久井映見さん、中井貴一さん、萩原聖人さんなど、実力派キャストが出演。
モデルになった久須美酒造でロケを行ったり、米が育つ姿を丁寧に撮影したり、酒造りの現場を真正面から描いて好評を得ました。
若い世代が日本酒に興味をもつきっかけにもなりましたね。

■名言・名シーン

それでは、そんな名作「夏子の酒」から、名言・名シーンを紹介しましょう。
この作品は、日本酒造りや農業にかかる社会派なメッセージを発信しながら、そこに関わる登場人物たちの悩みや挫折、夢や恋愛など、さまざまな人間ドラマを描いているんですよね。
何度も涙する名場面があります。※ネタバレになる記述がありますので、ご留意ください。

「夏子!黄金色の稲穂がこう!一面にバアーッとだぜ!」

第1巻第1話「まぼろしの米」のラスト、兄・康男の言葉です。
血を吐いて倒れた兄の見舞いに、夏子は2年ぶりに新潟に帰郷します。

夏子に元気な姿を見せる康男でしたが、すでに彼は不治の病に冒されていました
彼はその命を、幻の酒米「龍錦」に捧げます。東京に戻る夏子に向かって叫んだ、最後の言葉がこの言葉でした…。


夏子の酒(1)

「夏ちゃん!日本一の吟醸、造って」

第3巻第26話「初呑み切り」で、義姉・和子が夏子にかけた言葉です。
亡き夫・康男のハンテンを着て、健気に酒蔵を手伝おうとする和子…。そんな彼女のもとに康男から浴衣が届きます。それは、生前に康男が和子の誕生日に届けるようにと依頼したものでした。

そして和子は、夏子に亡き夫のハンテンを託します。
これにはあの人の酒造りの情熱がこもっています…一番ふさわしい人が着るべきだわ」。戸惑う夏子にかけた言葉が、この言葉でした。


夏子の酒(3)

「早く杜氏になれ」「なります」

第7巻第74話「夏子酵母」、杜氏・山田信助と見習い・草壁とのやり取りです。
龍錦の栽培が進むなか、ベテラン杜氏の山田信助、通称「じっちゃん」が倒れます。

父・浩男は苦渋の決断で、じっちゃんを今年限りで引退させることを決めます。
夏子も悩みます…。そんなとき、病院のベッドでじっちゃんは草壁に思いを託すのでした…。


夏子の酒(7)

「光栄です。美泉の蔵元が三角関係の相手なら申し分ありません」

じっちゃんの付きっ切りの指導を受け、懸命に酒造りに勤しむ草壁。
一方の夏子は、日本一の吟醸酒「美泉」の蔵元・内海と出会い、恋に落ちていました。

第11巻第111話「麹室仕事」。麹室で切り返しの作業をしながら向き合う夏子と草壁
夏子が言います。「草壁さん、わたし内海さんが好きみたい。すごく好きみたい」。
それに対して、夏子に思いを寄せる草壁が返した言葉がこれです。「燃えます」という言葉を添えて…。がんばれ、草壁!


夏子の酒(11)

「あなたの命です」

夏子は、数々の難局を乗り越えて、ついに運命の酒をつくることに成功します…。
口にした全ての人を感動させる酒…。夏子の頬を涙が伝います。夏子はその酒を杯に注ぐと、急いで義姉・和子のもとへ…。

和子は杯を受け取ると、「あたしより先に…」とその杯を康男の仏前に供えました。
そして一言、「あなたの命です」第12巻第127話「ひとすじの光」の名シーンです。


夏子の酒(12)

いやぁ、いま読み返しても泣けます。
酒づくり、米づくりにかける純粋な思い、ひたむきな姿勢に、誰もが心動かされるはず。「がんばれ、夏子」、「負けるな、夏子」。何度誌面に向かって声をかけたことか…。
他にも名言・名シーンがたくさんあります。「夏子の酒」、日本酒も物語もおススメです。

ありがとう、夏子の酒!

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