![「日本酒dancyu」vol.1!70年代生まれの造る酒がアツい"ゴールデンエイジの日本酒"](https://i0.wp.com/favoriteslibrary-books.com/wp-content/uploads/2025/02/81ajAbTA9HL._SL1500_.jpg?fit=1172%2C1500&ssl=1)
こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、「日本酒dancyu」vol.1!70年代生まれの造る酒がアツい"ゴールデンエイジの日本酒"です。
「夢中図書館 読書館」は、小説や雑誌などの感想や読みどころを綴る読書ブログです。あなたもお気に入りの一冊を見つけてみませんか?
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■日本酒dancyu
美食探訪を取り扱うグルメ雑誌「dancyu(ダンチュウ)」。
誌名は、「男子厨房に入るべからず」を転じて、「男子も厨房に入ろう」という意味から名付けられました。
そんな「dancyu」が毎年3月号で発売していた「日本酒」特集が、好評を得てスピンアウト!
例年の1.5倍のボリュームで日本酒の魅力を伝える、別冊「日本酒dancyu」として新登場することとなりました。
その記念すべき第1号が届きました。「今まさに飲むべき酒はなんだ?」と付された創刊号。
「日本酒dancyu」vol.1。日本酒ファンにはたまらない一冊です。さっそく頁をめくっていきましょう。
創刊号が取り上げるメインテーマは、「ゴールデンエイジの酒」。
「ゴールデンエイジ」とは、今のアツい日本酒ブームを支える1970年代生まれの造り手たちのこと。
この黄金世代が造り出す酒がいま、さまざまな経験を積んで円熟の境地を迎え、いっそう輝きを増しているといいます。
いわく「ゴールデンエイジの酒、いま、飲まない手はありません」。
魅力的な巻頭言でスタートする創刊号。今日の夢中は、飲まずにはいられなること必至の「日本酒dancyu」誌面を紹介していきましょう。
■タンク一本からの再生「写楽」
特集「ゴールデンエイジの造り手を狙え!」。誌面が最初に取り上げるのは、そんな黄金世代のなかで要注目の五蔵。
而今(三重・名張)、宝剣(広島・呉)、七本鎗(滋賀・長浜)、写楽(福島・会津若松)、貴(山口・宇部)です。
どの銘柄も日本酒ファンには馴染みの銘酒。みんな1970年代生まれだったのか…。
さすがは日本酒特化のdancyu、五蔵それぞれ6~8ページの蔵ルポでその酒造り哲学と実践をたっぷり紹介しています。
その蔵ルポで知れるのは、造り手の皆さんの酒造りにかける熱い思いとあくなき探求心。
五蔵それぞれ、最初は大変な苦難を経験してるんですよね…。たとえば、写楽の蔵元・宮森義弘さんは、蔵を継いだ当初、先代の遺した数億円もの借金が重くのしかかっていたそうです。
宮森さんは、蔵復興の絶好の機会と捉えて、歴史から消えゆく危機にあった写楽の再生に挑みます。
現場の古参の杜氏に抵抗されるなか、「新ブランドの写楽は自分の好きなように造る、と現場の反発を突っぱねました」と宮森さん。
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(写楽 純米吟醸 おりがらみ)
何度も失敗と経験を重ねて、終盤の工程まで品質管理を徹底する仕組みを構築。ついに「写楽」を全国屈指の人気銘柄に成長させました。
タンク一本から始まった「写楽」の酒造量は20年で10倍に増加。いま蔵には写楽にほれ込む若い蔵人も加わり、抜群の機動力で新たな酒造りが進められています。
■もっともっといい酒を「宝剣」
さらに強烈な個性を放つのが、「宝剣」の蔵元、土井鉄也さん。通称「土井テツ」。
この方の破天荒な経歴には驚かされます。1975年に宝剣酒造四代目の次男として生まれると、中学生の頃から度々警察のお世話になり、16歳でとうとう父から勘当を言い渡されます。
18歳で結婚を決意して実家を訪れますが、父は家に入れようともせず、母のとりなしで家業を手伝うことを条件に勘当を解かれました。
転機は1997年、父が脳梗塞で入院、経験のない土井さんが酒造りをすることになります。1日20時間酒造りに没頭、その冬は1週間で7㎏体重を落としたそうです。
さらに2年後、栃木県の酒の会を訪れて試飲した日本酒のレベルの高さに愕然とし、質を追求する路線に変更。
先輩蔵元に教えを乞い、持ち前の負けん気で日々「もっともっといい酒」を追い求めました。
そしてついに2019年、「宝剣」は国内最大規模の「SAKE COMPETITION」純米酒部門で日本一を獲得します。
日本一になること、ビッグになることを目標に新生「宝剣」に取り組んできた土井さんの歓喜の瞬間でした。
土井さん、おめでとうございます!それでも土井さんは、「まだまだ上がある」と歩みを止まりません。
杜氏歴30年を前に「新たに見えたことがあって挑戦中です」との弁が誌面に載っています。これからの「宝剣」も楽しみですね。
他にも紙面には、「而今」「七本鎗」「貴」の迫真の蔵ルポが掲載。
さらに「円熟の酒 15」として、五蔵以外にもスター林立のゴールデンエイジが造るおすすめの日本酒が紹介されています。
飲みたくなること必至、ページをめくるほどにゴクリと喉が鳴ります。日本酒ファンの皆さんはぜひ本誌を手に取ってください。永久保存版です。
今日の夢中は、「日本酒dancyu」vol.1!70年代生まれの造る酒がアツい"ゴールデンエイジの日本酒"でした。
ありがとう、日本酒dancyu! ありがとう、ゴールデンエイジの日本酒!